菊地選手、号泣してましたね
いや、号泣中の号泣でしょう、あいつ!それを見てこっちは笑ってましたけどね。
どんな会話をした?
それはプライベートなので。雄星がお伝えするのは構わないけど、僕が伝えるのはね。二人の会話だからね。それをこんなことを僕が言いましたって、バカだからね。それは言わないです。
アメリカのファンにメッセージはありますか
「日本に帰れ」ってしょっちゅう言われましたよ。
だけど、結果を残した後は……。手の平を返す、という言い方もできてしまうので。ただ言葉ではなくて行動で示した時の敬意の示し方というのは、その迫力はあるな、という印象ですね。なかなか入れてもらえないんですけど、認めてもらった後はすごく近くなるという印象で、がっつり関係が出来上がる。シアトルのファンとはそれができたような、僕の勝手な印象ですけど。
ニューヨークも厳しいところでしたね。でも、やればそれこそどこよりも、どのエリアの人たちよりも熱い思いがある。マイアミというのはラテンの文化が強い印象で、結果を残さないと来てくれない。
特徴がそれぞれありましたけれど、アメリカは広いなぁという印象ですけど。やっぱり最後にシアトルに来て、姿をお見せできなくて、それは申し訳ないという思いがあります。
弓子夫人への想いは
いやー、頑張ってくれましたね。一番頑張ってくれたと思います。僕はアメリカで3089本のヒットを打ったわけですけど、ゲーム前にホームの時は妻が握ってくれたおにぎりを食べるんですね。その数が2800くらいなんですよ。3000いきたかったみたいですね。そこは3000個握らせてあげたかったなぁと思います。
とにかく頑張っていただきました。僕はゆっくりしないけど、妻にはゆっくりしてほしい。
それと一弓ですね。我が家の愛犬ですね。芝犬なんですけど、現在17歳と7カ月。今年で18歳になろうかという芝犬なんですけど。さすがにおじいちゃんになって来て毎日フラフラなんですけど、懸命に生きているんですよね。その姿を見ていたらそれは俺頑張らなきゃなって…
これはジョークとかではなく。あの懸命に生きる姿。僕が現役を終える時まで一緒に過ごせるとは思っていなかったので、これは大変感慨深いですね。感謝の思いしかないですね。
イチロー選手が一番我慢したことは?
難しい質問だなぁ。僕、我慢できない人なんですよ。我慢が苦手で、楽なこと楽なことを重ねている感じなんですね。自分がやりたいことを重ねている感じなので、とにかく体を動かしたくてしょうがないので。体を動かしたくて我慢をするということはたくさんありました。それ以外は自分にとってなるべくストレスがないように行動してきたつもりなので。
今聞かれたような趣旨の我慢は思い当たらないですね。おかしなこと言ってます?(笑)
野球はどういう存在か
団体競技なんですけど、個人競技だというところですね。ここは野球の面白いところです。チームが勝てばそれでいいかというと、そうではない。個人の方でも結果を残さないと生きていくことはできないですよね。チームとして勝っていればそれでいいんじゃないか、という考え方もできるんですけど、決してそうではない。その厳しさが魅力であるということは間違い無いですね。
あと、同じ瞬間が無いということ。必ずどの瞬間も違うということ。これは飽きがないですよね。
悲しんでいるファンは何を楽しんだらいいか。
2001年に僕がアメリカに来てから、今は2019年。全く違う野球になりました。
頭を使わなくてもできてしまう野球になりつつような……現場にいる人たちは全員感じていることだと思うんですけど、しばらくはこの流れは止まらないと思うんですけど。本来野球というのは...だめだ。これをいうとまた問題になりそうだな…
(野球は)頭使わなきゃできない競技なんですよ。でもそうじゃなくなってきているのが、どうも気持ち悪くて。野球がそうなってきていることに危機感を持っている人って結構いると思うんですよね。
だから、日本の野球がアメリカの野球に追随する必要って全くなくて…。日本の野球は、頭を使う面白い野球であってほしいと思います。せめて日本の野球は、決して変わってはいけないこと。変わってはいけないことを大切にしてほしいと思います。