大分県、「タトゥーOK」の温泉施設を紹介する英語サイト開設へ 外国人向け、決断に至った背景とは?

大分県の担当者は、「世界のスタンダードとうまく調和していかないといけない」と話していました。
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「いざ来てみたのに、タトゥーがあるという理由で入浴を拒否された...」

こうした外国人の声に、大分県が応えていくことを決めた。

同県は3月5日、外国人観光客に向けて、「タトゥーOK」の温泉施設を紹介するウェブサイトを開設すると発表した。ウェブサイトはすべて英語で、3月18日に開設予定という。

同県では、10月に日本で開催されるラグビーW杯で5試合が行われる。県内の温泉観光地を訪問する外国人が増えることが予想されており、これに対応する形だ。

これまでは別府市などが独自にウェブサイトを制作し、タトゥーが入っている外国人観光客でも入浴可能な温泉施設の情報を提供してきたが、県として取り組むのは、今回が初めてとなる。

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タトゥーの入った外国人に温泉情報を提供するENJOYONSEN JAPAN HOTSPRING BEPPU
ENJOYONSEN JAPAN HOTSPRING BEPPU

「世界のスタンダードとうまく調和していかないといけない」と担当者

 日本でも有数の温泉観光地の大分県。

県をあげて対応する背景に何があるのか? 大分県の観光振興課・国際観光班課長補佐の川島栄一郎さんに聞いた。

━━県をあげて外国人対応に取り組むが、これまでの経緯は?

 2018年5月に、アジアやヨーロッパなど16カ国(17の地域)が参加した「世界温泉地サミット」が別府市で開かれました。

世界各国のスパやホテルの関係者や研究者が集まり、温泉地のこれからについて議論しましたが、ここで外国人を巡る意見が交わされました。

━━具体的には、どんな意見がありましたか?

温泉というものを「世界」という広い視点で見て、温泉の入り方も含めて様々な意見がありました。

例えば、水着を着用するスタイルが当たり前であったり、そもそも人前で裸になるということに抵抗がある方もいる。タトゥーへの捉え方も、その一つなんです。

大分県も、世界のスタンダードとうまく調和していかないといけない、という意識があります。

━━外国人に限らずタトゥーをファッションとして楽しむ人も増えているが?

タトゥーについては、国や文化によって受け止め方が異なるところがあると思います。

日本においてはタトゥーが反社会勢力との結びつきを連想させるなどの意見もありますが、必ずしもそう結びつくわけではない。

基本的には外国人向けにはなりますが、ファッションとしてタトゥーを楽しんでいる方にも、新設されるサイトの情報を活用して頂ければと考えています。

━━「おんせん県」としての今後の展望は?

 やはり大分にとって、「温泉」は1番の観光材料です。外国人にも温泉文化を純粋に楽しんでほしい。

そのための環境をきちんと整えていくということに、県としてしっかり取り組んでいきたいです。