ジャシー・スモレットが被害を訴えていた差別暴力事件⇨実は自作自演だった。動機は「給料に不満」

米ドラマ『エンパイア』の人気俳優
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米俳優ジャシー・スモレット 2月21日シカゴ
Nuccio DiNuzzo via Getty Images

米人気俳優のジャシー・スモレットが被害を訴えていたヘイトクライム(差別が理由の暴行事件)が、実は自作自演であった事がわかった。

シカゴ警察が21日、自作自演をした理由は「出演中のドラマのギャラへの不満」だったと発表した。

人気ドラマ「エンパイア」の俳優は、1月のシカゴでのヘイトクライムの被害にあったとする虚偽の事件報告をしたとして重罪で起訴され、2月21日に警察に出頭した。

スモレットには、最近の番組収録では1話6万5,000ドル(約720万円)のギャラが支払われていた、と内部情報者がハフポストUS版に伝えた。『エンパイア』は平均で1シーズン18話で構成されている。

シカゴ警察は会見で、スモレットは2人の兄弟に3,500ドル(約39万円)を支払い、ここ数週間アメリカの話題の渦になっていた暴行事件を計画させた、と述べた。

スモレットの保釈金は10万ドル(約1100万)で、パスポートも提出するよう要請されている。彼は保釈金を21日に既に支払い釈放された。

 

事件の詳細は

シカゴ警察によると、スモレットはまず自分宛に同性愛者嫌悪的で人種差別的な内容の脅迫レターを送り、その後男らに暴行を頼んだ。スモレッツの顔の傷や痣は自らやったものだろう、と発表した。

スモレットは「2人のマスクをかぶった男に1月29日に襲われ、首にロープを巻き、漂白剤をかけてきた。そして人種、同性愛者差別的な言葉で中傷し、『ここはMAGAの国だ』と言って去って行った」という。MAGAとは、トランプ大統領のスローガン、Make America Great Again(アメリカを再び偉大に)の略だ。

警察は当初、ヘイトクライムで捜査(差別的犯罪)していたが、50以上の防犯カメラや携帯電話、銀行やタクシーの記録に合わせ、拘留中の男の証言を聞いて、スモレットを疑い始めたという。拘留中の男は、スモレット氏が自分のギャラに不満を持っていたから今回の暴行を計画した、と話したという。

「なぜアフリカ系アメリカ人である彼が、首吊りロープというシンボルを使い、偽の告発をしたんだ?ーー そのシンボルによって苦しめられてきたはずなのに、それを自分を有名にさせるために使おうなんて、なぜ考えられるんだ」とシカゴ警察は批判した。

『エンパイア』を製作する20世紀Foxは「この問題がどれだけ重大であるか理解しており、法的な手順を尊重します。ーー 状況を判断し、選択肢を検討しています」と声明を発表した。

スモレットは最長3年間禁固生活を送る可能性がある。

ハフポストUS版の記事を翻訳、編集しました。