温暖化の影響で、絶滅が確認されるのは初めてかもしれない。
オーストラリア政府は2月18日、巨大なサンゴ礁で知られるグレートバリアリーフにある島に生息するげっ歯類、「ブランブル・ケイ・メロミス」の絶滅が確認されたと発表した。
「ブランブル・ケイ・メロミス」は、ネズミの一種。丸く茶色い体に、長く伸びた髭としっぽが特徴的だ。グレートバリアリーフの北端にある小さな島「ブランブル・ケイ」にだけ生息していた。
ワシントンポストによると、この動物が初めて見つかったのは1800年代に遡る。1978年には数百匹の生息が確認されていたが、年を追うごとに減少していった。2011年12月には生息数の調査が行われていたが、足跡などの痕跡も確認できなくなっていたという。
なぜこの動物は絶滅してしまったのか。オーストラリアのクイーンズランド州政府などが公表した調査結果によると、温暖化で海水面が上昇した結果、島が海水に何度も晒されたことで、生息地が劇的に減少したことなどが背景にあるという。
その上で、「これはおそらく人為的な温暖化現象で絶滅した初めての哺乳類だろう」としている。
地元紙の「シドニー・モーニング・ヘラルド」は絶滅を防ぐために十分な対策を行ってこなかったと批判している。さらに、「絶滅の危機に瀕している種の多くは世間的な知名度が低く、コアラの様にカリスマ的人気のある種がいないことが背景にある」などとする専門家の談話を紹介している。