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チームの力で、五輪の切符を手に入れる! 頂点を目指す、全日本女子バレーボールチーム

17歳で全日本入りして話題になった木村沙織選手がキャプテンとして率いる全日本女子バレーボールチーム。同じように、高校生で全日本入りした古賀紗理那選手。この二人は一体何を考えているのだろうか――
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先輩から後輩へつなぐ、栄光へのマイルストーン

木村沙織選手がキャプテンとして率いる全日本女子バレーボールチーム。木村選手は17歳で全日本入りし、当時高校生スパイカーとして話題になりました。同じように高校生で全日本入りした古賀紗理那選手。古賀選手は集中強化選手として、男女各10名(合計20名)の「Team Core」に選抜され、2020年東京オリンピックでの活躍が期待されます。二人に、2016年リオデジャネイロオリンピック、2020年東京オリンピックに向けての意気込みをうかがいました。

木村 沙織(きむら さおり)

1986年8月生まれ、東京都出身。東レアローズ所属。

両親の影響で小学2年生からバレーボールを始め、高校時代、17歳で全日本に選出、アテネ五輪に出場。続く北京五輪、ロンドン五輪にも出場、ロンドン五輪では銅メダル獲得の原動力になった。2013年から全日本の主将も務める。2012年から2シーズン、トルコでプレーした後、2014年からプロバレーボール選手として東レに復帰。身長185cm、体重65kg。ポジションはウィングスパイカー。

古賀 紗理那(こが さりな)

1996年5月生まれ、佐賀県出身。NECレッドロケッツ所属。

母親の影響で小学2年生からバレーボールを始め、高校時代、16歳で全日本に選出された。2014年から東京五輪に向けた強化選手である「Team CORE」のメンバーに選出。2014-15シーズンのVリーグではNECの10年ぶりの優勝に大きく貢献した。身長180cm、体重66kg。ポジションはウィングスパイカー。

キャプテンとして、若い選手がプレーしやすい雰囲気を作りたい

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――木村沙織(サオリ)選手、古賀紗理那(サリナ)選手、お互いの印象を教えてください。

木村:サリナは明るくて可愛らしいですね。攻撃も守備もできる能力の高い選手で、一緒にプレーできてうれしいです。

古賀:サオリさんも明るくて、キャプテンとしていつもチームを引っ張ってくれています。同じポジション(ウィングスパイカー)ですが、何でもできて、しかも、どのプレーも精度が高くて、目標にしている選手です。いつもお手本にしています。 

木村:そういうふうにサリナに言ってもらえて、すごく嬉しいです! でも、自分自身としてはまだまだ足りないことや課題も多いと思っています。サリナとは同じポジションですが、ライバル心とか負けたくないというよりも、一緒に試合に出たいという気持ちのほうが強いですね。

古賀:私も同じで、サオリさんと一緒に試合に出て、チームの大事な試合で、勝利に貢献したい気持ちでいっぱいです。

――二人とも高校時代に、初めて全日本に選ばれています。そのときの心境を教えてください。

木村:いつもテレビで全日本の試合を見ていたので、テレビで見ていた人たちと一緒に練習している状況が不思議でしょうがなかったです。

古賀:私もまわりがテレビで見た人たちばっかりでしたし、まず初めてサオリさんに会えたことに興奮していました。 

木村:めちゃくちゃ緊張していたよね?

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古賀:すごく緊張していました! 息ができなかったくらいです(笑)。でもサオリさんがキャプテンとして、私も含めて若い選手に声をたくさんかけてくれて、プレーしやすい環境を作ってくれたのでチームに入りやすかったです。

木村:サリナは私と同じように高校生、16歳で全日本に選ばれていますが、私が入ったときよりもはるかに能力は高いと思います。若い選手にはどんどん活躍してほしいので、コミュニケーションをできるだけ取って、チーム全体でプレーしやすい雰囲気を作ることを心がけています。

――木村選手にお聞きします。日本バレーボール協会は2014年から、2020年東京オリンピックへ向けた強化や指導方法策定や普及事業の策定、有望選手発掘や選手強化などを目的とした 「Project CORE(プロジェクトコア)」 という取り組みを始めました。トップ選手として、この取り組みについてどのように考えていますか?

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木村:2015年度は、サリナ以外にも、女子は大竹里歩選手(デンソーエアリービーズ)や宮下遥選手(岡山シーガルズ)、大学生の今村優香(青山学院大4年)、井上愛里沙(筑波大2年)、高校生の宮部藍梨 (金蘭会高校2年)の全日本5人を含む計10名の若手が、2020年の東京オリンピックに向けた育成、強化の選手として「Team CORE(チームコア)」に選ばれています。

若い時から強化合宿や国際大会に参加して、日の丸を背負って戦う経験が増えることは良いことだと思いますし、2020年東京オリンピックでは金メダルを取ってほしいと思っています。

現在、全日本に選出されている私たちは2016年リオデジャネイロオリンピックで結果を出して、より良い形で東京オリンピックにつなげていくことが大事だと思っています。

――古賀選手に質問します。「Team CORE」に選ばれたときはどう思いましたか。また、それからどんな変化がありましたか?

古賀:「Team CORE」に選ばれたことで、自分自身の中で、よりはっきりと2020年東京オリンピックを強く意識しました。私自身がしっかりと目標を見据えて、バレーボールに取り組んでいかなければいけないという気持ちになれたので、選ばれてとても良かったと思っています。

まずはワールドカップでリオの切符を手にするのが目標

――木村選手は2012年から2シーズン、海外のトルコリーグで活躍しました。海外でプレーして得たことはどんなことでしょうか?

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木村:プレーに取り組む姿勢はもちろんのこと、日々の生活や体調の管理についても選手の全員がプロフェッショナルとして取り組んでいるので、あらゆる面からとても良い刺激を受けました。また海外の様々なチームと対戦することで、いろんなタイプの選手がいることやプレースタイルの特徴を知ることができたのは良い経験になりました。

日本とは違い、トルコでは国内のリーグ戦だけでなく、欧州王者を決めるチャンピオンズリーグ、トルコカップという3つの大会が同時に進行していきます。その3大会のすべてで優勝することができて大きなプラスの経験を得ることができました。また所属していたチームがサッカーチームも持っているクラブだったこともあって、応援が日本とは違って、激しく熱いものがあったのがとても印象に残っています。

――古賀選手は木村選手のお話を聞いて、海外に挑戦したいと思いますか?

古賀:サオリさんの海外での活躍はすごいなと思います。でも、自分のこととして考えると、正直に言って、まだ社会人になったばかりなので自分が海外でプレーすることは想像できていません。今は、NECレッドロケッツと全日本で頑張りたいと思っています。

――2012年ロンドンオリンピックでは銅メダルに輝きました。2016年リオデジャネイロオリンピックが近づいてきています。今の心境はどうでしょうか?

木村:今は、全日本としてリオデジャネイロオリンピックで金メダルを取るという目標に向かってみんなで必死に頑張っています。オリンピックの前年である2015年は、7月にワールドグランプリ、8月から9月にかけては日本で行われる「FIVBワールドカップ2015」があります。

今シーズン最大の目標は、アメリカ、ロシア、中国など強豪12カ国が出場するワールドカップで2位以内に入って、オリンピック出場の切符を手にすることです。まず、ワールドカップで思い描いている結果を残せるように頑張りたいです。

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古賀:オリンピックはテレビでしか見たことはないですし、まだ自分がそういった舞台でプレーしている姿は想像できません。それよりも、まずは「FIVBワールドカップ2015」でチームが掲げている目標に向けて、もっともっと自分を成長させて、勝利に貢献できるように頑張っていきたいです。

――それでは、間近に迫ってきている、その「FIVBワールドカップ2015」に対する意気込みを聞かせてください。

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木村:今、全日本では、スタッフ、選手ともにチームワークを一番大切にしているので、一人ひとりの個人よりもチーム全体のつながりや思いやりなどを持って取り組んでいる姿勢があります。そういうところを見てもらえたらと思います。

古賀:私は、チームの中では年齢が下の方なので、とにかく元気よく頑張ります!

――改めてお聞きします。2020年には東京オリンピックが開催されます。どのように考えていますか?

木村:まだ今は、東京オリンピックのことは頭になく、とにかく2016年リオデジャネイロオリンピックへの出場と成果を出すこと、そのことしか考えていません。東京オリンピックではプレーできたとしても、そうでなかったとしても、いずれにせよ全力で参加したいと思っています。

古賀:「Team CORE」に選んでもらったこともあって、東京オリンピックに出たいという気持ちは強く持っています。今後も、意識を高く持って2020年に向かって頑張りたいです。

高くてパワーのある相手でも、チームの力で勝てるのが、バレーボールの面白さ

――お二人が考えるバレーボールの魅力とは、どんなところにあるでしょうか?

木村:海外の強豪チームには、私たちよりもはるかに身長が高くパワーがある選手が揃っています。でも、そのようなチームにも、みんなで力を合わせて戦って、勝っていけるところが魅力的だし、面白いところだと思います。

古賀:チームのみんなで力を合わせて、点数を取るところだと思います!

――totoの助成を受けて「長身選手発掘育成事業」などが行われていて、若手選手の発掘・育成に役立てられています。こうした取り組みについて、どのように思っていますか?

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木村:身長が高い選手があまりいない中で、そういった発掘活動で支援していただけるのはとてもありがたいです。今後の世界的な大会や、2020年の東京オリンピックに活きてくる活動だと思っています。

古賀:私もそう思いますし、今後も選手の発掘や育成に対して、こういったサポートを続けていただけたら嬉しいですね。

――totoを購入して、バレーボールをはじめとするさまざまなスポーツを応援している、多くのファンに向けてメッセージをお願いします

木村:いつも応援ありがとうございます。私たちがやっているバレーボールはチームスポーツですので、試合を通してチームワークの良さがとても良く表現できるスポーツだと思います。そういった部分にも注目して応援してほしいと思います。totoのサポートやみなさんの応援を受けているので、自分たちはそれに結果で応えていきたいと思います。

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古賀:totoやファンのみなさまからのサポートや声援、いつもありがとうございます。これからも一生懸命バレーボールを頑張っていきますので応援のほどよろしくお願いします。

――最後に、お互いにエールをお願いします!

木村:サリナはまだまだ若いので、それを武器に本当に思い切ってやってほしいなと思います。

古賀:サオリさんには、いつもお世話になっています。これからもよろしくお願いします!

日本バレーボール協会が進める「Project CORE」とは

「Project CORE(プロジェクトコア)」とは2014年に公益財団法人日本バレーボール協会が立ち上げたプロジェクトです。日本バレーにふさわしい「指導方法策定」、バレーボール教室の拡充などの「普及事業」、長身選手などのリクルーティングなどの「有望選手発掘」2020年東京オリンピックを目指す「選手強化」などへの取り組みを行う、これら4つの柱から成り立っています。

その4つの柱とは、下記の 4つのキーワードからなります。

Coaching[指導方法策定] (+Creativity[創造性]、Cooperation[協力])

Opportunity[体験機会=普及事業] (+Overcome[克服する、打ち勝つ])

Recruit[有望選手発掘] (+Responsibility[責任]、Reliability[信頼性])

Enhancement[選手強化] (+Enjoy[楽しむ]、Encourage[勇気づける]、Exciting[わくわくする])

これら4つの頭文字を取って「CORE」と名付けられています。

「Project CORE(プロジェクトコア)」には「2020年、そしてその先の未来に向けて、バレーボールを活性化し、国民の皆様へ勇気と感動をお届けすることを目指す」という想いが込められています。

また、「Project CORE」の「E=選手強化」の施策として、2020年東京オリンピックに向けて集中的に強化していく選手で構成された「Team CORE」があり、2014年度は男子10名、女子8名、2015年度は男子10名、女子10名が選出されています。選ばれた選手たちは、日本代表および各選手の年齢に合うアンダーエイジカテゴリーの国際大会に出場し、経験を積んでいきます。

JVA 承認2015-07-010