25歳の私が考える政治家が好き勝手に法案を通せないように、今すぐにすべき2つのこと

「批判しか言えないのか」という意見もSNSで飛び交っています。しかし、一律給付金や検察庁法改正案など、たくさんの人が声をあげたからこそ、その行く末が大きく変わった事例もあります。
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(左から)カナダのジャスティン・トルドー首相、日本の安倍晋三首相、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相。
ハフポスト日本版
 誰がリーダーになるのかは非常に大事

大規模災害や感染症など、予期できぬことが起きてしまった際の政権は、さぞ、さぞ、大変だろうと心から思います。

日本だけでなく世界的に来月がどんな状態になっているかも予想しづらい状況で、どう判断したらよいか分からないことだらけ。参考になる事例はあるようでなく、正解なんてきっと数年後にも分からない。それでも自分の決断に人の命がかかっている。このプレッシャーとストレスは非常に大きいと思います。

 

そんななか改めて気づいたことは、誰がリーダーになるのかはとても大事だということ、です。

そして、自分自身も気をつけなければいけないと強く感じていますが、自分の周りに同じような考え方の人が多く集まり、自分とは異なる状況にある人、特に弱者とされる立場の人が見えなくなってしまったり、物事の本質的な良し悪しが見えなくなってしまう状況が起こりえます。それは決して良くないことです。

 

私は、政治の場にはいろんなバックグラウンドを持ち、困りごとや痛みが分かる人が必要なんじゃないかと、新型コロナ対策や、ここ最近の政府が出す法案などを見て改めて感じました。そして、周りには様々な立場の人に居てもらい、意見に耳を傾け、「これまでこうだったから」と決めつけずにフレキシブルに対応できる人がいいなと思います。

 

見て、知れば、おかしなことに気づくことができる

そんな中で、今すぐ私たちにできることは2つあると思います。

1つ目は、政治がどうなっていくのかウォッチし続けること。

「批判ばかりする人がいる」「批判しか言えないのか」という意見もSNSで飛び交ったことは知っています。

ですが、批判にせよ要望にせよ、声を上げなければ、自分たちの生活は政治家の提案通り、判断の通りになってしまいます。でも、今回の検察庁法改正案のように「批判する人がいる」というのは、それだけ政府が通そうとしている法案などが、「おかしい」と考えている人がいるということです。政治について何も考えず、声も上げずにいるよりは良いのではないでしょうか。

 

実際に政治をウォッチし続け、たくさんの人が「さすがにちょっとそれはおかしいのでは?」と口に出したからこそ、その行く末が大きく変わった事例もあります。

 

例えば、当初、新型コロナウイルスの影響で所得が減ってしまう世帯に30万円を給付するという内容だったものが、「それでは支援からこぼれてしまう人がいる」と多くの人が声を上げ、所得制限なしで一律1人10万円給付という形に変更になりました。

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検察定年延長/国会前で抗議する人たち
時事通信社

そして、検察庁法改正案をめぐっては、たくさんの反対意見が生まれました。なかでも、Twitterのアカウント名「笛美」さんが始められたオンラインデモ「#検察庁法改正案に抗議します」は9日から抗議のツイートが相次ぎ、10日午後時点で380万を超え、著名人からも反対の意が出されました。そして、元東京地検特捜部長ら検察OB38人が意見書を出されましたね。素人ながら、OBが動くという事の重さと力強さに感動しました。結果、検事総長や検事長らの定年延長を可能にする検察庁法改正案について、「国民の理解なしに国会審議を進めることは難しい」として、今国会での成立を見送ることを決めたと報じられ、世論が政治に届いたのが見えたように思えました。

また、このTwitterで展開されたオンラインデモに続けて、地元議員への電話をかけ反対を伝えるといった実際に行動を起こす呼びかけが行われました。この活動も、とても素晴らしいと思いました。

国会議員は国民の代表なのだから、国民の声を政治に反映させるのが仕事ですが、国民の声を聞くことができなければ、どの声を反映するというのでしょう。私たちも後になって「これはおかしい」と声に出すのではなく、日頃から、地元の国会議員に積極的に声を届けることは非常に大切なのではないでしょうか?自主的に声を届けた方が気持ちも伝われますし、自分たちの声が政治に反映されたり、国会質問に加えたりすることもあるかもしれません。

 

そして今気になっているのは、新型コロナの影響で困窮する学生らに現金を給付する支援策で、文部科学省が外国人留学生に限って成績上位3割程度のみとする要件を設け、大学などへ伝えたという報道です。

なぜ外国人留学生だけ、成績で優劣をつけて区別するのかと不思議です。外国人留学生の中には本当に生活に困っている人もたくさんいるのに。しかも、異国で緊急事態に直面して不安なことでしょう。国籍問わず、困窮している人を皆、支援の対象にして、「日本に留学してよかった」と思ってもらえた方が、今後の日本のためになるのではないかと、私は思います。すでに、「留学生に日本人学生と同じ基準で現金給付をして下さい!」というオンライン署名も始まっており、私も参加しました。

いまやオンライン署名やキャンペーンに簡単に参加できます。「これはおかしいのではないか」と思う法案や制度や施策が成立してしまわないように、まずは今の政治をウォッチし続けなければいけないと感じています。

 

未来の日本を変えられるのは自分たちだけだということを忘れずに

2つ目は、どんな人が自分の住むエリア(国も自治体も)のリーダーだったらいいか、ちゃんと考えてみることです。

隣の芝は青い。

新型コロナ対策を行う他の国のトップからの力強いメッセージが素晴らしく聞こえたり、素早い決断に羨ましいと感じている人もいるのではないでしょうか。

私は、カナダのトルドー首相のように首相や大臣たちもが在宅勤務をしていることに親近感を持ち、ニュージーランドのアーダーン首相が3月25日の夜、自宅からFacebookライブを使って新型コロナウイルス対策について説明し、視聴者からの質問にも答える姿を素敵だなと感じ、医学部卒で政界入り前は医師だったアイルランドのバラッカー首相が週に1回、医療現場に復帰することに胸を打たれました。

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ニュージーランドのアーダーン首相
時事通信社

今、日本に住む私は隣の芝の青さに憧れることしかできないのが現状です。

 

本来、国会議員、ひいては国会議員の中から選ばれる首相は、私たち国民の代表のはずです。そして、その国会議員を選ぶ権利があるのは私たち。だから、今の日本の現状は、私たちにも責任があると思います。

「増税前に欲しかったあの高いドライヤー買っておけばよかった」、「結婚して苗字が変わるのなんて嫌だ」と思うなら、自分たち、自分の子どもたちの未来のために、この人に政治を任せていいのか、よくよく考えて投票するべきです。

もっと言えば、よくよく考える前に、よくよく知るべきです。自分が参加したオンライン署名と同じ立場の発言をしていた国会議員は誰なのか。みんなが外出を自粛しているなか、立憲民主党に所属していた高井崇志衆院議員が風俗店へ行ったり、那覇空港第2滑走路の運用開始記念式典には、東京から菅義偉官房長官ら閣僚に加え、自民党の岸田文雄政調会長ら党幹部も相次いで出席したりしたことが報道されたことを。誰が、おかしいことに、おかしいと言ってくれたのかを。

 

次の衆議院議員総選挙や、2022年に予定されている参議院議員通常選挙までには、きっと日本経済の回復を狙っていろいろな施策がされることでしょう。そんな次の選挙まで、この危機下で日本ではどのような意思決定がなされ、どのような対応がなされ、自分がどう感じたのか、忘れないようにしたいと思います。

 

そして、来たる日の選挙には、もちろんちゃんと候補者を調べて、誰に投票したらよいかを考えて、投票に行きます。

「私が一票入れなくても変わらないだろう」、「自分の投票で日本の未来が変わるとは思えない」、「とりあえず聞いたことある人の名前書いてみた」をまた繰り返してしまうと、今度こそ、私たち国民の知らないうちに法律が変えられたりするかもしれません。

緊急事態宣言もエリアごとに解かれはじめ、少しずつ日常が戻りつつありますが、外出できる嬉しさ楽しさに浸るのではなく、未来の日本を変えられるのは自分たちだけだということを忘れずに、日ごろから政治の成り行きをウォッチし、どんな人がリーダーの国に住みたいか、考え続けたいと思います。  

(編集:榊原すずみ