1月15日に発表された、第162回直木賞(日本文学振興会主催)に選ばれた川越宗一さんの「熱源」(文芸春秋)をめぐり、シャープのTwitter公式アカウントが思わぬ注目を集めている。「熱源」を2019年9月の投稿で紹介していたためだ。シャープの以前の企業スローガンにちなみ「目の付けどころが、シャープ」とのコメントもついている。
今回直木賞を受賞した「熱源」は、樺太(サハリン)生まれのアイヌ民族の男性とポーランド人の文化人類学者が主人公の歴史小説。朝日新聞によると、作家で選考委員を務める浅田次郎さんは「近年まれに見る大きなスケールで小説世界を築き上げた。登場人物も生き生きと魅力的に描かれていた」と講評した。
この作品に直木賞受賞の約4カ月前に注目し、紹介していたのがシャープの公式アカウントだった。「すぐれた歴史小説は昔を語りながら現代を容赦なく照射する」「この本がそれだった」と礼賛していた。
シャープのTwitterアカウントは、大企業の公式アカウントらしからぬ投稿をすることで人気を集めており、1月16日の時点で62万人以上のフォロワーを持つ。「熱源」の直木賞受賞発表後も、シャープのアカウントはあらためて当時の投稿をリツイートし、「ほら!だから!いい本なんだって!!」とつぶやいた。他のユーザーからも「さすが目の付け所がシャープ」「先見の明がすごい」とのコメントがついた。
シャープの目利き力に、「熱源」の出版社でもある文芸春秋の月刊誌「文芸春秋」のTwitter公式アカウントも反応。「昨年9月のツイートですか」とシャープの先見に脱帽した様子だった。