LiLiCo、30年ぶりに楽しむ「料理」 酷使していたカラダ、夫婦関係が変わった。

好評連載 第12回 LiLiCoの「もっとホンネで話そう。私たちのこと」
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LiLiCoさん
Yuko Kawashima

2020年のテーマは「もう一度、自分を磨くこと」

そう語るLiLiCoさんは、50歳の誕生日を前に、人生の後半戦を生き生きと過ごすため、健康を意識し始めたそうです。食から体を改善するため、スウェーデン時代に親しんだオーブン料理を再び作り始めた、と話します。 

世間を騒がすイシューからプライベートの話題まで、LiLiCoさんがホンネで語り尽くす本連載。今回のテーマは「料理」です。

料理がもたらした数多くの変化とは? 日々の食卓を楽しむ工夫とともにお聞きしました。

 

知らず知らずのうちに酷使してきた自分の体 

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Yuko Kawashima

私の2020年のテーマは「もう一度、自分を磨くこと」。今年の11月で50歳。人生の折り返し地点を目前に、健康を意識するようになりました。

100年の人生のもう半分を楽しく生きていくには、体をいたわることを覚えなくちゃいけないなと思っているんです。

きっかけは、来日当時の「歌手になる」という夢を叶えるため、歌のレッスンにゼロから取り組みはじめたこと。先生から、私は普段から「喉を使いすぎている」と指摘されたんです 

同時期に、腰を痛めて受診した病院で、生まれて初めて背骨から突き出ている骨があることも知りました。

私は、知らず知らずのうちに自分の体を酷使してきたんだとわかったんです。

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Yuko Kawashima

そもそも休みが嫌いだし、エステすら数回しかいったことはありませんでした。ならば、どうしたらいいのか。今日の私の体は、昨日食べたものでできている……。そうだ、食生活を改善しよう! と思ったんです。

緊急事態宣言が出た当初、どうしたらいいかわからなくて、1週間テレビをボーッと観ながらできあいのものばかり食べていたら、体がさびているのを感じました。

そこで思いついたのが、スウェーデン時代にしていたように料理に挑戦すること。我が家にも、新しいオーブンとグリルを設置しました。

実はスウェーデンでは、一人暮らし用のワンルームでも備え付けのオーブンがあるぐらい、オーブンやグリルを使った料理がメジャーなんです。

オーブンやグリル料理のいいところは、簡単で、おいしくて、見た目もよくて仕事ができるって感じがするところ(笑)!

私がよく作るのは、野菜のグリル焼き。コンロの魚焼きグリルに入れる専用皿に、アスパラガスやナス、いんげん、ズッキーニ、ジャガイモなど野菜をすべて入れて、ボタンを押すだけ。うまみが逃げないからすごくおいしいし、あまり油を使わないからヘルシーです。

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本人提供

夜はガッツリしたものを食べたいから、いろいろな種類のグラタンやドリアを作ったり、お肉やお魚をグリルしたり。パンを焼くのもいい! 焼きたてのパンにバターつけて食べたら、それだけで最高。 

日本にも、簡単でおいしいグリルやオーブン料理がもっと広がるといいな、と思います。

 

家族や仕事と同じぐらい大事なもの

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Yuko Kawashima

食生活を変えたら、体も変わりました。元気だし、体に力がみなぎっている感じがします。前より体重は増えたのに、体が軽いの。体は、ちゃんと食べたものに反応するんですね。

オーブンやグリルで料理を始めてから、料理や食事の時間がとても楽しくなりました。

以前は、コンロにお鍋をいくつも並べて「せま~い」ってイライラしてたけど、オーブンやグリル料理は、場所もとらないし、作り方も簡単だから、ストレスが減りました。それから、料理のレパートリーの少なさに悩むことがなくなりましたね。 

じつは、外出自粛期間が始まった頃は、「三食作るなんて、あんまり料理が上手じゃないのが(夫に)バレちゃう」って焦ってたけど、今は作りたいものが次々と浮かんでくるんです。

料理の勘も戻ってきた気がします。前は、味がいまひとつだったら「おいしくできなかった」で終わっていたけど、今は「あれを足したらおいしくなるかも」ってアイデアがわく。 

買い忘れたものがあったときも、前ならもう一度買いに出かけたけど、今は「じゃあ、これを使えばいい」と代用品を思いつくようになったんです。

スウェーデンで使っていた食材が、日本でどの程度売られていて、どこで買えるのかという知識もついてきましたね。

このあいだは、33年ぶりに“ベジタリアンのためのラザニア”を作ったんです。 

レシピがなく、母は天国にいるから不安だったけど、もともとは学校の調理実習で学んで、自分も作っていた料理。昔の感覚を取り戻そうとして作ったら、懐かしい味になりました。

夫も「すごくおいしい」って言ってくれて、うれしかった! 

「おいしい!」って言われるのも、あっという間に食べ尽してもらえるのも、「ごちそうさま」ってうれしそうにしてくれるのも、料理を作った人にとっては最高な瞬間。最近は、「この料理には何を入れてるの?」と聞いてくれるようになったんです。

オーブンやグリル料理を通して、私たち夫婦はより仲良くなれたと感じています。

今年は、「料理」というカテゴリーが、私の人生で「家族」や「仕事」と同じぐらい大事になった年。料理の本を出したいという新しい夢も生まれました。今まで一回もそんなこと思ったことなかったのに(笑)。

 

テーブルセッティングで食卓を彩る効果

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Yuko Kawashima

食事を楽しむなら、テーブルセッティングも一工夫したいですよね。 

私がテーブルセッティグについて意識しはじめたのは、15年ぐらい前。テレビで、すごくオシャレな女社長さんの密着映像を見ていたときのこと。仕事が終わり、急に部下を家に招いて飲むことになって、そのときに彼女がコンビニのおつまみをパッケージのままテーブルに置いたんです。

そのシーンを観て「こんなにオシャレな人なのに、お皿に移さないんだ」って妙にひっかかって、「私は、人をおもてしするときに一工夫しよう」と強く思ったんです。

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本人提供

テーブルセッティングは、スウェーデン人にとっては当たり前のこと。特に寒くて日照時間も短い冬を快適に過ごすため、スウェーデン人がしている工夫のひとつなんです。

布や折り紙をテーブルの真ん中に敷いたり、お箸を毛糸で結んだり。ペーパーナプキンをくるっと丸めてグラスに入れておくのも、とってもオシャレ。これは父がいつもやっていたアイデアです。 

パーティーなら、その人の好きな色で統一して、席には名札をつけて。折り紙だって、包装紙だって、洋服のタグだって、名札になる! 材料だって、100円ショップのもので十分。簡単なものでいいんです。

日本にも、「目で食べる」という言葉がありますよね。きれいな食卓を作ると気分が変わるから、一度やってみてほしいですね。

 

何歳なってもフレッシュでいる秘訣

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Yuko Kawashima

私、スウェーデンから日本に来て、失ったものが4つあると感じていました。

7歳からずっと習っていたピアノ、幼稚園から親しんだバドミントン、リコリスというハーブのお菓子、そしてオーブン料理。

だけど、きっと私がもう一度手に入れようとしなかっただけなんですね。今回、再びオーブン料理をするようになって気づきました。

やっぱり、やりたいことはやりたいと思ったときにしなきゃ。ハッピーに生きたいなら、自分の脳を自分で充実させないとね。

新型コロナで仕事がなくなっても、趣味に没頭して、次から次へとやりたいことを思いつく夫を見ていると、すごいなと思って見ているんです。彼は、とても楽しそう。

日本には、「これが正解」とされているものを目指すように言われてきた人が多いですよね。何かあったとき、「こういう選択もある」とは教えてもらえなかったんじゃないかな。もしかしたら、夢見るレベルが高すぎるのかもしれません。 

でも、他人にはなれません。自分が置かれている状況がベストじゃなくても、今いる環境でベストを尽くせる人間になればいいですよね。

何かを始めるのは、何歳からでもいいんですよ。

「あーあ、つまんないな」って思ったときだって、新しい何かを生み出すチャンスです! そうしたら、何歳になってもフレッシュでいられますよ。

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Yuko Kawashima

 

 

(取材・文:有馬ゆえ 写真:川しまゆうこ 編集:笹川かおり)