「ゴミ収集の皆様へ」袋に感謝の手紙 作業員の心に届く
《ゴミ収集の皆様へ》
22日昼、東京都荒川区の住宅街にあるゴミ置き場。可燃ゴミを集める男性作業員の手が止まった。ポリ袋に、テープで手紙が貼り付けられていた。
《御苦労様です 私達は何時も感謝の毎日です。コロナウイルスの感染が広がり お身体には十分お気を付けてください。》
この日、別の収集所にも、同じように手紙の貼られたゴミ袋があった。収集後、作業員はいつものように「清掃リサイクル事務所」(同区町屋5丁目)に戻ると、黙って2枚の手紙を置いていった。
ゴミ袋の中には何が入っているか分からない。食べ物の残り汁が袋にそのまま捨てられていれば、収集車で圧縮した際に破裂して汁が飛び散ることもある。そんなことのないよう、作業員は袋をひとつ一つ点検している中で見つかった、2枚の手紙だった。
最近は、通行人がポイ捨てしたと思われるマスクの投棄が増えているという。ウイルスに汚染されている可能性もあり、同区はマナー違反の行為に対し、厳重注意するよう作業員に促している折に届いた手紙だった。
担当課長は「名もなき作業員が行っている地道な作業ですが、区民の方からの激励は本当にうれしい。一丸となって厳しい現状に立ち向かいたい」と作業員の思いを代弁する。
24日にも、別の地域で2枚の手紙が見つかった。いずれも、作業員の心に届いている。(抜井規泰)
(朝日新聞デジタル 2020年04月25日 11時05分)
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