国際ロマンス詐欺。被害にあった後の“心のケア”はどうする?

「信頼していた人に裏切られた」という精神的ショックから立ち直るにはどうしたら良いのでしょう。
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takasuu via Getty Images

愛をささやく甘い言葉で誘惑し、女性から現金をだまし取る“国際ロマンス詐欺”。

私はこれまでハフポスト日本版で4回にわたって、その手口と被害実態をお伝えしてきました。

実際に記事を読まれた方から、お問い合わせも多数いただいています。

 

実際に被害にあってしまったら、その金銭被害の相談は警察に行くしかありません。

ただ私は、国際ロマンス詐欺は金銭被害はもちろん、「信頼していた人に裏切られてしまった」という心に受ける被害が大きいと感じています。

 

今回は、改めて被害にあってしまった後の“心のケア”について書いていきたいと思います。

 

心の傷はなかなか癒えない

新型コロナウイルスの影響で、自宅にこもりがちになり、パソコンやスマートフォンに触れる時間が増えているからでしょうか?

最近、国際ロマンス詐欺の被害がまた増えているように感じます。

 

国際ロマンス詐欺とは、FacebookといったSNSや言語学習マッチングアプリ、LINEやSkypeなどから届く1通のメッセージからはじまります。

愛の言葉や子どもへの同情心を駆り立てるようなメッセージを次々と送りつけ、最終的には、様々な手段でお金を取られてしまう犯罪です。

(詳しくはこれまで私が書いた4回の記事を読んでください)。

 

被害者の中には、早い段階で「詐欺」だと気づいて金銭被害はなかったという人もいます。ただそれ以上に「信頼していた人に裏切られた」「結婚するつもりだった人が、詐欺師だった」という精神的ショックが大きいのです。

 

気持ちが落ち込んでいて、なかなか前向きになれずに苦しんでいたり、中には日常生活に支障が出ていたりする方もいるようです。

 

警察や周囲に相談をしても

「金銭被害がなくてよかったですね」

と言われてしまい、心の傷は癒されない…。

金銭的な被害を受けた人は、経済的なトラブルと心の傷という二つの大きな問題を抱えることになってしまいます。

 

 では、どうやって傷を癒やす? その方法は?

「では、国際ロマンス詐欺の被害を受けてしまったら、どう立ち直ったらいいのでしょうか?」

「国際ロマンス詐欺で受けた、心の傷はどうやって癒やしたらいいのでしょうか?」

 

これはハフポスト日本版の記事の読者さんや、被害者の方からよく聞かれる質問です。

 

ストレスは口にして吐き出すことで、だいぶ解消されると言われています。

しかし国際ロマンス詐欺は、問題が問題なだけに、誰にでも話せるものではありません。

「こんな詐欺にあったなんて、恥ずかしくて人に話せない」という声も多く聞きます。打ち明けられる人というのも、大きな苦しみのひとつになるのではないでしょうか?

 

でももし、近くに理解者がいるのであれば、1人でもいいので話を聞いてもらいましょう。

「ただ聞いて受け止めてくれるだけでいいので」

とお願いして、打ち明けられるといいと思います。

 

そんな相手がいない場合にはプロの力を借りましょう。

カウンセリングもおすすめします。

実際、私も国際ロマンス詐欺にあわれた方のカウンセリングを行うことがあります。

そんな時に私がよく相談者の方にお伝えすることがあります。

それは「過去、あなたはベストを尽くしたのだから後悔しないで」ということ。。

 

騙されてお金を送ってしまった。

騙されて詐欺師を愛してしまった。

 

そのことを、あなたはきっと、後悔しているでしょう。

でもその時、あなたは相手が詐欺師だとは思いもしないで、「彼を助けたい」「一人残された子どもと父親を合わせてあげたい」というやさしい気持ちから、あなたにできる最善を尽くしていたはずです。

 

また、過去に戻って後悔することは、あなたの未来のためになりません。

未来のためにならないどころか、自分の健康状態を悪くしたり、心を病んでしまったり、悪循環になってしまいます。

自分は最善のことをしたのだと過去を一度受け止めて、前に進む力をつけましょう。

過去に戻るのではなく、あなたが生きている今と、これから生きるべき未来について考えることです。前を向きましょう。心から応援しています!

※この記事は「新川てるえnote」の記事に編集、追記を加えたものです。

(編集:榊原すずみ @_suzumi_s)