外に出かけなくてもうちで無限に遊べてしまう私だが、驚くことに、ないならないで慣れてしまいそのやばさに気付かずにいた、「家になかったもの」がたくさんあった。
生まれ育った北海道にはIKEAがないため、上京するまでニトリか無印良品しか知らなかった。大学に入ってからやたらおしゃれででかい施設があるらしいと知ったけど、4年間くらいコストコとIKEAの区別がついてなくて、今まで行ったことも、買ったこともなかった。
さっき、初・IKEAをした(PRじゃないよ)。通販で。ネットで「カーテン かわいい」で検索してもかわいいカーテン出てこないの、なんなん?ってずっと思ってたけど答えは全部「そこ」にあった。
送料無料キャンペーンに乗じて画面を睨み、電気を消して寝るつもりでいるのに、メジャーを取り出しごそごそしていたら外が明るくなってる生活を3日くらい続けて、ついに決定したラインナップ。なぜ……?と思うほど安いのは安いし、デザインもいいから、新生活始めるための準備、だいたいをIKEAにしとけば!って今は思うんだけど、上京当時知らなかったの、ほんと勿体なかったな……。
この買い物をきっかけに、自分の生活にないものを整理してみた。これから買う予定のもの。これからも買うつもりがないもの。長いことなかったもの。
(私はミニマリストではなく、基本的に「金欠&ズボラ&掃除が苦手に帰結する持ってなさ」なので、もろもろ思い当たる人は読んでほしい。むしろ服とか無限に増えていくマキシマリストなので勘違いされぬよう…)
【私の住まいの変遷】19歳まで北海道の実家→2014年から多摩美大八王子キャンパス付近のアパートでひとり暮らし→2019年1月から都内近郊の賃貸に引っ越し、現在1年と3カ月住んでいる。
カーテンを持っていなかった
まず、本当に先日まで、ここに引っ越してきてから1年間、カーテンを持っていなかった。布団カバーを代用して、レールにクリップで引っ掛けていた。隙間から街灯が入ってきて、夜もまぶしい家だった。最近やっと近所で買って、隙間から向かいの家が見えないって安心だなって(本当にあぶない)。
ソファもない
ソファも持っていない。憧れだが、ワンルームにベッドと仕事用のデスク&チェアがギリ共存しているので多分無理だ。くふうしたらギリいけるかもしれない。ほしいな〜これはまじ何の知識もないけど…カリモクくらいしか知らんけど…。
ラグもない
上京するとき通販サイトをみてやたら憧れて、毛の長い芝生みたいなラグを買ったけど私にはそれを清潔に保つことなど無理だった。結局全てのゴミでからまりまくり(こっからやや汚い表現あります)、
最終的に泥酔した私の口から出たキラキラ胃袋ミキシングスムージーによっておしまいの状態になった。毛の長いカーペットのクリーニング代はとても高くて、お金に余裕ができたらやろうと手洗いしただけのがロフトの奥に追いやられていた。
母がアパートに来たとき、現物より高かったら捨てよう、とそれを丸めて小脇に抱え、近所のクリーニング屋を回ってくれたことがあった。ふだん北海道で車移動が当たり前の母が、こんなへんぴな住宅街を私のわがままで買ったカーペットを抱えて歩いている。汚れた理由をちゃんと言えないまま母の後ろをついていった。結局どこもだめでゴミ捨て場に置いたとき、掃除もできないラグは絶対買わないぞと心に決めた。
今は撮影用の布をホットカーペットに重ねて過ごしているけど、冬場もあたたかく洗いやすいので快適だ。洗いやすいラグ、欲しいけど。
テレビを持っていない
あと私が持っていないもの、テレビ。最近どうしても見たい番組、好きな俳優さんが朝ドラの主演になったので観る必要が出てきて、いろいろ調べていたら地デジチューナーを買うとiPhoneやPCで見られる環境が作れるという。なんで誰も教えてくれなかったんだ…いままで。
ワンセグとかフルセグとかチューナーとか全くわからない。ていうかなんでテレビってインターネットから見られないんだマジで?チューナーが1万円ちょっと(そんなすんの?)で買えそうなのだけど、在庫切れだったからちょっと待つ…ほんと自分で調べるしかないんだよなぁ…。もしかしてテレビ線も必要ですか?わかんね〜〜〜〜(今はおじいちゃん遺品のPCデスクトップにFire stickをぶっさしてネトフリやアマプラをみている)。
全身鏡・卓上鏡を持ってなかった
そして、この1年間全身鏡を持っていなかった。上京するとき通販で一番安かったものを母上に買ってもらったのだけど届いてみるととてもじゃないが全身が入るようなサイズではなかったのと、なぜか歪んでいて面長の顔がさらに縦長に見えていた。
いいものを買うぞ!幅広の!なんかスッゲーかっこいいやつ!と思って引っ越しのときそれを手放しはや1年と3カ月。買える見通しが立っていないのに手放す、というのは稼ぐ闘志が湧くかなと思ったんだけど1年も経つとない生活に慣れてしまう。鏡越し自撮りは基本的にユニットバスの鏡でしていたし、スタイリストの友達が家に来て服決めてくれる時毎回バスタブのフチに立って確認しながら、「全身鏡買うから!!」って風呂場から叫んでたな。
ちなみに手鏡も1回無印でパタンて蓋閉まるやつ買ったら私の扱いが雑で秒でふた折れたので壁に立てかけて使っているし、これじゃ高校生のとき使ってた100均の鏡と何ら変わりない。今もそのハガキサイズの下敷きみたいな鏡で化粧しているし、電子レンジの反射で髪の毛結んだりしてる。
全身鏡はIKEAでさっきポチりました、あとはちゃんと台がついてる卓上鏡がほしいな〜ハ〜。
バスマットを持っていなかった
そしてバスマット。うちはユニットバスだから、トイレの蓋にバスタオルを置いて風呂に入る。上がるときに全身をふいて、足を出すときにバスタオルを足元に垂らし、足の裏をふきながら部屋に戻る。これで特に困っていなかったけど、来客にはびっくりされた。「バスマット買いなよ、床がカビるよ」とか。
大学時代は100均に売ってた茶色のペラペラのバスマットを置いてたけど、洗濯しようものなら裏側のぺりぺりが剥がれてきて大変だったのであまり洗えず、しかも上京してはじめて出くわした梅雨で何もしていないのに湿気っているマットがとっても気持ち悪くて、いつの間にかお風呂のあとそのマットに足を置くことが肝試しみたいになっていたので、2年生か3年生のときにポイした。
今日ついに、400円くらいのIKEAバスマットをポチりました。深くて鮮やかなグリーン、清潔につかいて〜。別のブランドで「GET NAKED(裸になれ)」て書いてあるやつ見つけて可愛ぴ〜!ってなったんだけど5000円だから諦めた。ところでなんでみんなして珪藻土マットを勧めてくるんだ?
便座カバーとその周りの布を持っていない
大学当時、100均のバスマットをポイした床がすっきりして気持ちよくて、ついでにそれと統一してた同じく100均の便座カバーとトイレットペーパーホルダーとトイレマットもちょっとホコリ被ってたので捨てた。
布っ気が何にもなくなったトイレと風呂がさっぱりして、掃除もしやすくなって、きれいに保てない布は減らすに限るな、と思った。いまの部屋に引っ越してきてから、来客に「便座カバー買おうよ、お腹が冷えちゃう」と言われたけど、私は寒い時は、ちょっとお尻上げてトイレする!と思ったけど言わなかった。
便座カバー周辺は今のところも買う予定がない。だっていろいろ飛びちったのを外して洗うの嫌だもん。シャワーで濡れるし。
上京するとき、実家のトイレに座りながらこのあったかい便座とお別れなのか…と泣いちゃいそうになったけど、今や未練は全くない。このひんやりした、掃除のしやすいシンプルな便器を愛している。ホテルみたいで好き。
ケトル・トースターを持っていない
あと今も持ってないものシリーズでいくと、ケトル持ってない、トースター持ってない。ケトルはないとさすがに不便で、大学時代ドンキで1000円台のやつ買ったんだけど秒でボロボロになったので引っ越しの時に処分して以来、やかんで沸かしている、めっちゃ沸くの遅いけどじっと待っている。いつかバルミューダのケトルとかトースターとか、欲しいな…。
そういえば大学生のとき某イラストレーターさんの手伝いのバイト行って、事務所にあったバルミューダのケトルを火にかけそうになって青ざめて止められたことがある。ものすご〜く穏やかな方から発せられた一番大きい声だった気がする。我ながら世間知らずおっちょこちょい魔神エピソードが過ぎるじゃんこれ…。
米びつを持っていない
そして、米びつもない。「米はナマモノだからちゃんと米びつにうつしたほうがいいよ」と教えてくれた人もいるし、米びつを買おうと思ってるんだよね、というと「米びつってそんなに必要?クリップで止めるだけでよくない?」と驚いた顔をしてきた人もいる。
これはぜったいあるべきでしょ、とか、これはいらないでしょ、みたいな常識のすりあわせって結構おもしろい。
来客たちの色々なツッコミは振り返ると愛すべきものばかりだけど、言われた時は相手もマジな顔で言ってくるのでこっちもマジになってそれがないことのメリットや、金銭的にそんな余裕がないことを伝えていかないといけない。米びつは欲しいけどまだいいのを見つけられていない。
なんでかそういうことって、ずっと仲良くしてくれている女友達ふたりには全く言われない。部屋がきれいな時は「あんたえらいよ」と言ってくれ、部屋がめちゃくちゃな時は「やっぱ散らかってるひとんちが一番いいな!」と言ってくれ、モノがなくても「なくてもいけるっしょ」と言ってくれ、何かを買えば「稼いでえらい!」と褒めてくれる。
この人たちは風呂上がりにバスタオルやタオルがなくても私が脱いだTシャツで拭くと思う。その現場見たことある気がするし。
まな板もなかった
今の家に引っ越してしばらくまな板がなくて、野菜のパッケージの上で切ったりしてたんだけど、去年京都に行った時、チーズを載せるような幅10センチもないような小さいおつまみのせボードを見つけ、それをずっとまな板として使っていた。さすがに小さ過ぎるから買わなきゃなと思っていたら最近友達がIKEAのまな板をくれた。あの日から、IKEAへの渇望がある気がする。なんども言うがPR記事ではないです。
デビットカードを持ってなかった
コンビニで買い物しながらデビットカード便利だよ〜っておすすめしてくれた人がいて、え、現金がわりってこと?Suicaでよくねって思って真に受けてなかったらこれは……自分の銀行口座があるだけでクレジットカード(信用)として使えるんかい!!!んでそのまま引き落とされて通知くるんかい便利すぎんか!!!
わしみたいな注意欠陥自営業はクレカ作ったりするのも一苦労なんで、これは便利だし使いすぎ防止になるやん、卒倒しそう。あとLINE Payも口座直引き落としでまじで便利。遠隔で友達に200円返せるのめっちゃ助かる。
IKEAで買える環境がなかった
ここまで書いて思うのは、ハ〜〜〜IKEA、なんで今まで1回も行かなかったんだろう。
いや大学時代は家具を買い足す生活の余裕なんて全くなかった。でも近所のイオンとかで買うよりお得だったから面倒に思わず行けばよかったな〜。
でもクレカ持ってなかったから通販無理だったし、免許持ってないから運ぶのも無理という全部揃って詰んでたんよな〜。車借りるなり運転してくれる友達がいて一緒に行くとかならできたかもだけど、多分IKEA付き合ってくれて免許持ってる友達見つけるののハードル高かったし、車のレンタル代でまた詰んでたんだろうな…。ていうかコストコと混同してて会員じゃない私は行けない場所だと思ってたな、おっちょこちょいチャンネルが過ぎるなマジで。
インテリアの知識と情熱がなかった
しかもIKEA行けてたとしても、インテリアに関するインプットがなさすぎて何買っていいかわかんなかっただろうな。大学入学するときにかろうじて持ってたインテリアの知識、「色を揃える」だけだし。
在学中に単管パイプや2×4の木材で部屋構成してる人みてまじで自分と関係ないことだと思って見てたし、なんかめちゃくちゃすんげ〜暮らししてる人とかみてKOされたりいろんな経験が合わさり、卒業してからいろんな家得意マンたちの家具とかじ〜っと見て、話を聞いたり、まねしてみたり、実際に家具作ったりしてみた結果、アタイに必要なのは多分これ!とか、素材のこと考えたり、色を揃えるルールを破ってもいいかも!とか思い始めたり、インテリア老師がちょこちょこできたっていうのはこの1年くらいで培ったものだなとマジで思う、ありがたいすわ。
余談・振袖という概念もなかった
私はなんでこんなに何も持っていなかったのかも、考えてみた。
美大当時、月4万円ちょっとくらいで家賃以外の、衣食・光熱・通信・交通費やらすべてをまかなっていたから、画材だって満足に買えてなかった。
ほんと服とかどうしてたんだっけ…?インスタ見返すとそれなりにおしゃれ頑張っているように見えるのはなぜ……?ずっと1000円台で買えるファストファッションか、家族のおさがりばかり着てたな、4年間、よくやってたな私よ。
トレファクで買った1000円のワンピースで学校いくと、それzuccaじゃんいいね!とか言われたり、親のバブル時代のプリーツプリーズやらベネトンやらバーバリーやらを帰省するたび拝借して着ていくと(めっちゃ怒られる)、そういうのは「えっ、それ本物?」って言われたりして、ほうこれは褒められるのか…このブランドは有名なのか…とか覚えたりしてたな。まぁ、単発の派遣とかで服代稼いでたのか…。
成人式は進級ギリギリで課題終わってなくて帰省できず、親は振袖にお金払う価値観の人ではなく、説得する元気もなくて、卒業式は自分で必死に用意した予算2万円弱でワンピースときらきらの靴を買って、せめてもとデパコスのアイシャドウを買って…。
「式は振袖で謝恩会はドレス」みたいな周りがちょっと羨ましくもあったけどもうそこは仕方ないのですわ、コツコツ学業とバイトを両立できる人はすげえし、親の価値観とか関係性も運やらタイミングだし。
ここで卑屈にならない私を愛している。ことし、卒業式で着たくても着られなかった人たちがたくさんいるのだし、出られただけでありがたいことだったんだなと……。
いま、当時の私に伝えたい。
さっき、IKEAの通販で買い物しましたよ!!!!!あんたマジえらいよって!!!