iPhone 12シリーズと同時に発表されたアップルの小型スピーカー「HomePod mini」。すでに予約受付が開始されており、11月16日に発売されます。ひと足先に実機に触れることができましたので、ファーストインプレッションをお届けします。
初代HomePodはちょっと置き場に困りそうで手が出せなかったという人も、これならどこにでもちょこんと置けそうです。iPhone(iOS端末)でAppleの製品ページを開くと、実寸大のHomePod miniをAR空間に呼び出すことができます(ページ下方)。ぜひ、そのサイズ感をご自身の部屋で確かめてみてください。
関連サイト: HomePod mini製品ページ(Apple)
早速使ってみた
iPhone(iOS端末)からは「ホーム」アプリ上で管理します(見当たらない場合はApp Storeからダウンロードし直しておきましょう)。
HomePodはSiriに対するボイスコマンドで操作するのが基本です。お馴染み「Hey Siri」に続く対話で行なえるので、特別なコマンドを覚える必要はほぼありません。皆さんのお宅にも複数、Siriさんがいらっしゃると思いますが、自動で優先順位が割り当てられます(iPhoneも一瞬、反応しますがHomePodに譲るようです)。
きめ細やかなサウンドに驚く
まず、1台だけで音楽を再生してみて驚きました。HomePod miniのサウンド放出は無指向性(360度)で、底部に低音用ユニット+拡散板、側面にフルレンジ(中・高音用)ユニットを備えます。で、何に驚いたかといえば、音量をかなり絞っても低音、高音がクッキリと前に出ていることです。この感覚は高級オーディオの専売特許と思っていましたが、HomePod miniが搭載するApple S5チップと独自ソフトウェアの連携による音の補正で、このきめ細やかな分解感を実現しているのです。最近のスマホカメラの高画質化と同じ機械学習によるアプローチなわけですが、デジタル機器がアナログに適わなかった最後の砦の崩壊とすら感じてしまいました。
一家に1台あると便利
あまり知られていませんが、HomePod(mini)が1台でもあれば、その家ではApple Musicを1アカウントで家族全員が楽しめる環境になります。アカウント保持者のSiriへのコマンドだけでなく、ホームアプリでメンバーに追加した人物の声でもApple Music内の楽曲の再生が行なえるようになっているからです。家電連携機能を使わないとしても、リビングに1台あると重宝すると思います。
2台あるとさらに便利
HomePodが2台以上あると、設置した各部屋で違う楽曲を再生したり、家電の操作などが行なえます。また、HomePod mini同士を2台つなげてステレオ環境にすることができます(初代とminiの組み合わせは不可)。
1台でも十分いい音なのですが、コレ(ステレオ)を聴いてしまうと、ハッキリ言ってもう戻れません。先ほどの驚き×2倍では済まない感動のサウンドが都会のしがない賃貸マンションの一室を包んでくれました。ただ、ペア化もペア解除もワンタッチというわけではないので、日常的に切り替えながら使うのは現実的ではありません。
オーディオルームがある方は、決め打ちでその部屋用にステレオペア環境をつくってしまうほうがいいですね。
インターコムで部屋間通話
HomePod miniを各部屋に設置し、音声メッセージの伝達デバイスとして使うこともできます。「Hey Siri、インターコム」と発生するとインターコムモードになり、そのあとに「ご飯だよ」などと言うとそのままほかのHomePodに声が届きます。リアルタイムの会話とは異なりますが、フロアの分かれている家などで便利に使えそうです。
1台は買い! できれば2台!!
正直、私は初代HomePodにあまり関心なかったクチですが、miniのコンパクトなボディーから想像できない音質や、IoTハブとしての汎用性と設定のしやすさに1日で惚れ込んでしまいました。とりあえず1台、たったの1万800円(税別)ですので、一度お試しされることを強くオススメします。そのあと、2台目を検討されてみてはいかがでしょう。
(2020年11月12日Engadget 日本版「Apple「HomePod mini」レビュー 絶対1台できれば2台欲しくなる」より転載)
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