アフガニスタンで長年にわたって人道活動に取り組んできた中村哲医師が12月4日朝、アフガニスタン東部で銃撃されて死亡したことを受け、アフガニスタン国民からも中村氏を惜しむ声が上がっている。Twitter上には「#sorrynakamura」(中村さん、ごめんなさい)や「#sorryjapan」(日本、ごめんなさい)のハッシュタグをつけた投稿が相次いでいる。
中村さんは1983年、パキスタンでの医療支援をするNGO「ペシャワール会」を結成。ペシャワール会の公式サイトによると、1991年にはアフガニスタンでの活動も開始。医療支援とともに、病気の背景にある慢性的な食糧不足を解決すべく、農地回復のための灌漑(かんがい)事業などに取り組んできた。中村医師の活動はアフガニスタン国内でも高く評価され、2018年にはガニ大統領から勲章が贈られるなどした。
中村さんの死を受け、在日アフガニスタン大使館は公式サイトのトップページにメッセージを掲載。「中村医師はアフガニスタンの偉大な友人であり、その生涯をアフガニスタンの国民の生活を変えるためにささげてくださいました」とした。
Twitter上には、「#sorrynakamura」(ごめんなさい、中村さん)や「#sorryjapan」(ごめんなさい、日本)のハッシュタグをつけたアフガニスタン人からとみられる投稿が相次いでいる。
アフガニスタン在住の男性は、中村さんの写真パネルのもとに、キャンドルをともした人が多く集まった写真を投稿。パネルには「あなたはアフガニスタン人として生き、そしてその1人として亡くなった」の追悼文が掲げられていた。
男性は#sorryjapanをつけた投稿で、「アフガニスタン人は中村哲医師の死のために、深い悲しみを共にしています。申し訳ありません、おじさん」と書き込んだ。
男性は別の投稿では、「あなたは素晴らしい日本という国からの贈り物でした。あなたは、私たちのヒーローでした。私はいつもあなたを覚えています。ごめんなさい、中村哲医師」とのメッセージを寄せた。
別の男性は「アフガニスタン全体が今日、あなたのために泣いています。私たちはあなたを守れなかったことの責任を負っています。私たちはあなたを永遠に忘れません」と投稿した。
中村さんの横顔を描いた肖像画を投稿した男性は、「ごめんなさい、日本。私たちは、アフガニスタン東部のヒーローである中村医師を守ることができなかった」とつぶやいた。