Nature Innovation Groupは西武鉄道と西武プロパティーズと共同で、東京・新宿〜埼玉・川越を結ぶ西武新宿線全29駅に、傘のシェアリングサービス「アイカサ」を実証実験として導入することを発表した。本日9月22日から利用可能だ。実証実験の期間は2020年9月までの約1年間。
アイカサは昨年12月に東京・渋谷エリアから始まった、1日70円で傘を借りられるサービス。専用アプリのインストールは不要で、LINEでアイカサと友だちになることですぐに使えるのが特徴だ。アイカサスポットに設置されている施錠状態の傘に張られているQRコードをスマホで読み取ることで解錠・決済が可能になる。
傘を借りると1日ごとに70円が加算されていくが、6日以降から1カ月間は420円。ゲリラ豪雨など想定外の雨であっても、コンビニエンスストアで傘を購入するより安価に利用できる。傘の返却は最寄りのアイカサスポットに返却すればいい。決済方法は、クレジットカードのほかLINE Payを選べる。
Nature Innovation Groupはこれまでも、首都圏ではJR東日本や京急電鉄、小田急電鉄などの主要駅と周辺の商業施設、福岡では市と連携して福岡市営地下鉄天神駅や西鉄福岡駅、キャナルシティ博多などにアイカサスポットをエリア展開してきた。
今回の西武ホールディングスグループとの連携は、エリア(面)展開ではなく、沿線(線)展開。起点の西武新宿駅(駅番号SS01)から終着駅の本川越(駅番号SS29)までの各駅にもれなく設置される。西武新宿、高田馬場、鷺ノ宮、上石神井、田無、東村山、所沢、本川越などの主要駅だけでなく、郊外の各駅停車しか止まらない駅にも設置される点に注目だ。
西武新宿線の各駅は、2018年度の1日あたりの乗降人員が最も少ない下落合駅(東京都新宿区)で1万2479人、最も多い高田馬場駅(東京都新宿区)で30万4904人。郊外では2万人以上の乗降人員の駅が多く、今回の全駅への設置によって、アイカサを自宅の傘がわりに普段使いできる環境が整う。沿線住民は、いつでも駅で傘を借りられていつでも駅で返せるわけだ。
設置場所と利用可能時間は以下のとおり。改札内にあるアイカサを利用するには、入場券もしくは乗車券が必要となる。
1. 西武新宿駅:正面口(終日)、北口(7:00~終電車)
2. 高田馬場駅:早稲田口(初電車~終電車)、BIGBOX口(初電車~終電車)、BIGBOX高田馬場 1F 入り口(月~土10時~21、日・祝10時~20時)
3. 下落合駅:北口(終日)
4. 中井駅:改札内(初電車~終電車)
5. 新井薬師前駅:北口(初電車~上り終電車)、南口(終日)
6. 沼袋駅:南口(終日)
7. 野方駅:改札内(初電車~終電車)
8. 都立家政駅:南口(終日)
9. 鷺ノ宮駅:改札内(初電車~終電車)
10. 下井草駅:北口2階EVのりば付近(初電車~終電車)、南口(終日)
11. 井荻駅:北口(終日)、南口(終日)
12. 上井草駅:北口(初電車~終電車)、南口(終日)
13. 上石神井駅:北口(終日)、南口側コンコース(初電車~終電車)
14. 武蔵関駅:北口側コンコース(初電車~終電車)、Emio武蔵関 2F入り口(初電車~終電車)
15. 東伏見駅:北口側コンコース(初電車~終電車)、南口側コンコース初電車~終電車)
16. 西武柳沢駅:北口側コンコース(初電車~終電車)、南口(初電車~終電車)
17. 田無駅:北口2階EVのりば付近(初電車~終電車)
18. 花小金井駅:北口1階 EVのりば付近(終日)
19. 小平駅:北口側コンコース(初電車~終電車)、南口側コンコース(初電車~終電車)
20. 久米川駅:北口(初電車~終電車)、南口(初電車~終電車)
21. 東村山駅:改札前コンコース(初電車~終電車)、西口側コンコース(初電車~終電車)
22. 所沢駅:東口2階EVのりば付近(初電車~終電車)、西口2階EVのりば付近(初電車~終電車)、西口ペデストリアンデッキ(終日)
23. 航空公園駅:東口(終日)
24. 新所沢駅:西口側コンコース(終日)、東口(終日)
25. 入曽駅:西口(初電車~終電車)、東口(終日)
26. 狭山市駅:Emio狭山市2Fミスタードーナツ前(初電車~終電車)、西口側コンコース(終日)
27. 新狭山駅:改札付近(初電車~終電車)、南口(終日)
28. 南大塚駅:改札前(初電車~終電車)
29. 本川越駅:西口(初電車~終電車)、蔵のまち口(初電車~終電車)
今回の西武新宿沿線の全駅設置の経緯についてNature Innovation Groupに話を聞いたところ「今回の件はまず西武鉄道から話があり、Nature Innovation Groupから全駅設置を提案したところ実現した。新宿線沿線は小田急電鉄などアイカサの既存スポットとのシナジー効果も考慮して導入することになった」とのこと。
西武鉄道沿線で最も利用客が多い西武池袋線(池袋〜吾野)へのアイカサの導入については「池袋線沿線も今後拡大を前提に検討している」と教えてくれた。さらに現在はLINEプラットフォーム上でのサービス展開だが、今後はより利便性を高めるべく独立アプリの開発を検討しているとのこと。
(2019年9月22日 Tech Crunch 日本版「1日70円の傘シェア「アイカサ」が西武新宿線をコンプリート、西武池袋線はどうなる?」より転載)
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