photo by Viktor Hanacek
会社を辞めて10年以上になるが、痛感するのは「世の中はチャンスに溢れている」ということだ。
もちろん、僕はそのチャンスを充分につかみとれていないから、いまここにいるのだけど、それでもやっぱり世の中はチャンスに溢れていると思う。
会社に勤めているときは、チャンスは閉ざされていると思っていた。強い閉塞感を感じていたのだけど、いまはアタマの上にあった蓋はなく、無限の青空が広がっている。
何をするのもすべては自分次第、逆に無限の可能性に圧倒されている感じである。
たとえば、ワクワクする新しいサービスを始めた注目のスタートアップで働きたいと思ったら、あなたはどうするだろうか?
特別なツテがあるとか、凄い才能がないと無理と思ってしまわないだろうか?
今朝読んだ「Recruiting Advice No One Tells You ー What I learned from Tristan Walker (求職に関する誰も教えてくれないアドバイスーTristan Walker*1から学んだこと)」には、その方法が書かれていてとても納得した。
Tristanさんは2009年当時もっともホットなスタートアップのひとつだったForsquareで働きたいと思った。
彼はForsquareのウエッブサイトに応募した。
返事はなかった。
CEOのメールアドレスをみつけて、直接メールを送った。
返事はなかった。
再度、メールを送った。
返事はなかった。
再度、メールを送った。
返事はなかった。
(私は相当図太いが、4度目のメールは送れなかっただろう)
彼はまた送った。
返事はなかった。
あと3度メールを送ったが返事はなかった。
だが、彼は結局Forsquareでの職を得た。どうしたかって?
彼は営業開発をしたかったのだが、Forsquareで働き始めてもいないのに、いくつかの会社に電話をして自分はまだ学生だと名乗ったうえで、Forsquareで宣伝することに興味がありませんかと訊ねた。彼はそもそもForsquareとは何かから説明しなければならなかったが、信じられないことに何社かが彼の提案にYESと答えた。
彼はForsquareのCEOに9回目のメールをして、いくつかのクライアントを紹介できますと伝えた。
このメールにCEOは答えた。次の日に彼はCEOと面接して、Forsquareの営業開発で働くことになった。
ブログ筆者のDavid Rogierさんは、その成功要因をこのように書いておられる。
そういった人気のスタートアップ企業にはたくさんの応募者が集まるから、あなたがいかに特別な存在かを知ってもらうことが難しい。
Tristanさんのこのやり方が成功した理由は、1)目立った、2)その会社で心底働きたいことを伝えることができた、3)あなたが実際に何ができるかということのサンプルを示すことができたことだという。
そのようなことをするのはなかなか難しいことではあると思うが、Davidさんはさらに3つのアドバイスをされている。
*自分の弱みと思われている分野で何ができるかを示す
*もし自分がその会社で働いたら実際のところ何ができるかをやってみせる
*その会社が助けを必要としていることを実際にやってみせる
彼自身も、卒業後、Evernoteに職を得るためにある提案をつくって、CEOに送っている。それは、新規ユーザー23人をインタビューし、使い始めの時にどのようなストレスを感じるのか、それを改善するためにどうすれば良いのかを10枚のスライドにまとめたものだったという。
僕らがある会社に職を得たいとする。
日本では新卒の一括採用が普通で大学名で足切りされて、彼の言うようなチャンスは少ないかもしれない。
が、世の中はそんな会社ばかりでもないし、ベンチャー企業なら中途採用されるチャンスも多いだろう。
そんなときは、きっと彼のアドバイスが役に立つ。
履歴書をちゃんと書く。
職務履歴、職能を詳しく書く。
礼儀正しくする。
それだけで、あとは運を天にまかす。
そんな風に考えてしまっていなかっただろうか?
Tristanさんは、上に書いたようなことをやって、それでも相手からちゃんとした返事がなければ、縁がなかったと思って諦めれば良いとアドバイスしてくれている。
僕はやっぱり、世の中はチャンスに溢れていると思う。
*1:ののちにForsquareの副社長