インターネット上で味わい深いフリー素材のイラストを公開している「いらすとや」が突然、「AI(人工知能)に支配される人達のイラスト」を作成し、真夏の終わりのネット界を凍りつかせている。心がざわつくのは必至だ。
イラストは、脳みそに手足がついた青い「人工知能」が、首輪につながれている男女3人を引っ張っているもの。人類はすでに屈服したのか、四つん這いになっている。
大人も子供も、屈辱的な扱いを受けているはずなのに、嬉しそうだ。キャプションには「人工知能に首輪をつけられてペットのように飼いならされている幸せな人類のイラストです」。
「いらすとや」の素材は、チラシやパンフレット、プレゼン資料やウェブサイトなどで使う人も多い。こんな怖いイラストを部下が会社のプレゼンで使ってきたら、上司は怖くて仕方ないはずだ。
Twitter上では次のような反応があった。
人工知能は膨大なデータを参照し、自ら学習して賢くなる時代に入っている。このまま発展すれば、スーパーの店員や製造ラインの担当者、あるいはこうやって文章を書く記者や編集者の仕事が奪われる可能性がある。
経済産業省は4月27日、もし現状のまま何もしなければ、2030年度の雇用が今より735万人減るという試算も紹介した。人工知能に仕事のアドバイスを受ける日が来るのも近いのかもしれない。
一方、人工知能が「雑用」をこなす分、浮いた時間で人間が新しい仕事をしたり、今までにない産業や芸術を生み出したりする可能性もある。
今回のイラストのように「飼われる」ことを避けるにはどうしたらいいのか。人類の課題だ。