経団連の榊原定征会長は、1月17日に発表を予定している春季労使交渉の経営側の基本姿勢のなかに、政府に対し消費を拡大させるための分析や対応策を求める意見を盛り込むことを明らかにした。5日に行われた新年祝賀パーティーの記者会見で述べた。
榊原氏は、収益が拡大した企業に賃上げを求めることは引き続き行うとしながらも「過去3年賃金引上げを続けているにもかかわらず個人消費が伸びていない」とコメント。子育て世帯の教育費負担や、消費者の節約志向などを一例に挙げ、「これらの点に何ら手をつけないままでは、経済界が賃金引上げに取り組んでも消費は拡大しない。こうした課題に官民あげて取り組むことが必要」などとして、政府に対しても原因分析など将来不安の解消にも取り組むよう要請するとした。
朝日新聞デジタルによると、経団連が発表する予定の「経営労働政策特別委員会報告」には、「政府に対し、将来不安を解消するため、社会保障制度改革の推進や教育費の負担軽減策などを強く求める」などの内容が盛り込まれるという。