イヌとネコ。どんな人でもひと目でどちらか分かるはず。人間は、目で見て、脳で判断してネコとイヌを見分ける手がかりを知っているからだ。
同じように、カメラで撮影し、コンピューターで判断する技術が「画像認識技術」だ。この画像認識技術は、いまや自動的に、そして瞬時に判断できるまでに進化している。
こうした技術が、どのような場面で役立っているかを紹介しよう。
1.事件現場で犯人を突き止める
事件現場にかけつけた鑑識官が、犯人の指紋をとる――ドラマでそんなシーンを見たことがあるだろう。世界中で同じ指紋を持つ人はだれもいないし、指紋の形は年をとっても変わらないという。だから指紋による照合は犯罪捜査にも使われている。
調べたい指紋の画像と、集めてある膨大な人数の指紋データを、コンピューターで瞬時に解析・照合させることで、犯人を突き止めていく。NECの指紋認証は、NIST(National Institute of Standards and Technology:米国国立標準技術研究所)によると、精度が世界No.1とされている。
2.不審人物をいちはやく発見する
画像認識では、カメラに映った顔を認識し、それが誰であるのかを見分けることができる。また、顔を見分けるだけではなく、不審な行動をしている人物を発見することも可能だ。どんな行動を不審と判断するのか、その基準をあらかじめ決めておき、防犯カメラに映った映像を解析することで、事件や事故が起こる前に不審者を見つけ出すことができる。
さらに、特定の人物が現れた頻度や時間の分析から、犯罪の予兆とみなせる、うろつきや下見行動などを素早く検索、抽出することも可能。
行き交う人の中で"変な行動をしている人"や"危ないことをしそうな人"を素早く見つけ、知らせてくれる。この技術により、事件や事故を未然に防げるようになると期待が高まっている。
3.テーマパークの入場で「顔パス」
人の顔が写っただけで、ロックされたドアが開く。そんなSF映画のワンシーンにありそうな「顔認証技術」は、既に身近な場面で実用化されてきている。
たとえば、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン®では、年間パスを持っている人に、モニターに顔を近づけてもらって本人だと判断すると入場できる。まさに"顔パス"で入場するような感覚と言える。
"顔パス"の照合にかかる時間はわずか1秒。待ち時間が短くなって、入場が「アトラクションみたいに楽しくなった」と評判だという。
この「顔認証技術」も画像認識技術のひとつ。顔認証技術では、まず、画像の中から顔らしい部分を見つける。その画像から、瞳や鼻下、口角の位置などを特徴点として数値化し、事前に登録してあるデータベースから一致する人物を探し出す。
4.メロンの模様を個別に識別できる
人間の指紋や顔が一人一人異なるように、果物もひとつひとつ個性があるという。たとえば、メロンのあみ目模様。NECの画像認識技術では、メロンの模様の違いから特定のメロンを識別できる。
農家から出荷する際にメロンの表皮を撮影して登録、店頭などの別の場所で再度、表皮を撮影して照合。そうすることで、本当にその農家で作った安全なメロンなのか、それともニセモノなのか、流通過程における産地偽装の防止に役立てることができる。
社会がもっと便利に、安全に
画像認識技術は、わたしたちの生活の中に、これからどんどん入ってくる。人が面倒と思うようなチェックを自動的に済ませてくれるので、仕事が楽になっていくし、人だと見逃しやすいミスや危険も早めに見つけられるようになる。画像認識技術によって、世の中が大きく変わりつつあるのだ。
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