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先日、相談のご予約をされていた若者から電話が入りました。
「申し訳ありません、怖くなってしまったので今日は相談行けません」
よくあることです。全然問題ありません。長期に渡り、他者や一般的な社会生活から離れているとすべてが怖くなるようです。「なるようです」というのは、僕自身はそういう経験がないので、自分ごととして断定できないということです。
それでも結構な頻度であります。この恐怖のポイントには傾向があるように思います。
・布団から出られない
・自室から出られない
・自宅から出られない
・電車などの公共交通機関に乗れない
・電車などの公共交通機関から降りられない
・相談の「場」に行けない
・相談の「場」の扉を開けられない
布団から相談の「場」に入るまでの、in & outすべてがハードルであり、壁になってしまいます。頭の中でinのとき、outのときに何が行動を阻害する思考になっているのかはよくわかりません。ひとそれぞれというしかありません。
ただ、相談予約を入れるためのハードルも高いのですが、予約を入れた日から当日の相談時間まで休まることのない不安や恐怖と闘わなくてはなりません。
突飛なことでしょうか?不安や恐怖の度合いはともかく、多かれ少なかれ誰でもこのような感覚と闘った経験があるのではないでしょうか。
新しい学校、新しい職場、初めてのお店、招待された知り合いのいないパーティーなど、これまでの日常と少し違った「場」にいくのは緊張します。
きっとその度合いが通常より高い状態なのだと理解しています。個人的にこの状態に近いのは、日本であれ海外であれ、業務にかかるコミュニケーションを日本語でできないことがわかっている「場」に対して、不安と恐怖を感じます。
せめて、最初くらいはこちらの「場(home)」であったらと思いますが、基本的に伺うことが大半です(away)。とても緊張して逃げ出したくなります。恐怖の度合いは異なると思いますが、やはり特別なことではなく、大なり小なり誰でもあることだと思います。
怖くて相談に来れないなんてたいしたことではないです。むしろ、相談に来ようとしてくれた勇気に感謝します。
(2014年4月22日「若者と社会をつなぐ支援NPO/ 育て上げネット理事長工藤啓のBlog」より転載)