プーチン氏に「潜水艦でゲイとシャワーを浴びることになったら?」 オリバー・ストーン監督、"突っこんだ"質問連発

アメリカのオリバー・ストーン監督による「突っこんだ」質問と、ロシアのプーチン大統領の「赤裸々な」回答。そんなやり取りが6月12日、アメリカの衛星テレビ局で放送される。
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Russian President Vladimir Putin speaks with journalist Megyn Kelly during an interview on the sidelines of the St. Petersburg International Economic Forum (SPIEF), Russia, June 3, 2017. Picture taken June 3, 2017. Sputnik/Alexei Druzhinin/Kremlin via REUTERS ATTENTION EDITORS - THIS IMAGE WAS PROVIDED BY A THIRD PARTY. EDITORIAL USE ONLY.
Sputnik Photo Agency / Reuters

アメリカの映画監督オリバー・ストーン氏が、ロシアのプーチン大統領に長時間インタビューするなどしたドキュメンタリー作品「THE PUTIN INTERVIEWS」(プーチン・インタビュー)が6月12日夜、アメリカの衛星テレビ局「ショウタイム」で放送される。

ロシアによるアメリカ大統領選介入疑惑や同性愛者問題などについてストーン氏が「突っこんだ」質問をし、それにプーチン氏が「赤裸々に」答えるという内容だ。

ストーン氏はこれまで各メディアの取材に対し、プーチン氏を主人公にしたドキュメンタリー作品を制作していることを明かしてきた。2年以上の制作期間をへて完成にこぎ着けた。

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オリバー・ストーン氏

作品は12~15日の4夜連続で、いずれも午後9時(アメリカ東部、太平洋時間)から1時間放送する。

ショウタイムの公式サイトには予告ページが設けられている。それによると、ストーン氏はプーチン氏に密着し、事前にテーマを決めず、制約もない形で12回以上プーチン氏にインタビューした。

ソ連時代と重なる幼少期や、権力の座を獲得するまでの過程、アメリカとの関係などについてプーチン氏の「本音」を引き出したという。

予告動画によると、ストーン氏はプーチン氏に対し、「なぜアメリカ大統領選をハッキングしたのか」「アメリカとロシアが戦争したらアメリカが勝つか」などと率直に質問したようだ。

撮影場所は、外部の人がなかなか立ち入れないクレムリン(ロシア大統領府)の内部や、プーチン氏の公邸なども含まれているとみられる。

ロシアメディアも注目しており、断片的な情報ではあるが作品について報じている。

国営ノーボスチ通信は、ストーン氏が暗殺についてプーチン氏に質問したと報道。「あなたに対する暗殺未遂事件は5回あったと聞いているが、もちろん、多くはないでしょう。(キューバの元指導者)カストロは50回ぐらいあったそうだから」とストーン氏が言うと、プーチン氏は「彼は私にこう聞いたことがある。『なんで私は生きのびたと思う』と。それで私は聞いたんだ。『なぜですか』と。すると彼は『自分の身は自分で守ってきたからだよ』と言った」と答えた。

すかさずストーン氏は「あなたは自分の警護を信じていますか」とプーチン氏に聞くと、「信じている」とプーチン氏は答えたという。

ストーン氏はまた、「孫を愛しているか」とプーチン氏に問うと、プーチン氏は「もちろん孫は愛している。でも、遊ぶ時間が少ない」と答えたという。プーチン氏がプライベートについて公の場で語るのは極めて異例だ。

インタファクス通信によると、ストーン氏はまた、同性愛者の差別を助長すると西側に批判されたロシアの法律について質問。プーチン氏は「ロシアにはいかなる(性的指向に関する)制限もない。性的少数者の人権擁護の観点から言えば、同性愛などに対して死刑を定めているようなイスラム諸国よりは状況はいい」と答えた。

ストーン氏はさらに、「もし潜水艦の中でゲイとシャワーを浴びることになったら?」と聞くと、プーチン氏は「ゲイとはシャワーに行かないだろうね。なぜ彼らを挑発しなければならない?知ってるだろう、私は柔道の有段者だ」と答えたという。

ストーン氏は、アメリカ政府による大がかりな個人情報監視を暴露し、その後ロシアに亡命した元アメリカ安全保障局職員のエドワード・スノーデン氏にまつわる作品制作をきっかけにプーチン氏との接点が生まれたとみられる。自らの作品がアメリカとロシアとの関係改善につながれば、という思いがストーン氏にはあるという。

プーチン氏が外国のインタビューにこれほど長時間応じるのは前例がない。ロシア側が作品制作に協力した背景には、ストーン氏の知名度を利用してロシアのイメージを良くしたいとの思惑がありそうだ。

▼プーチン大統領の画像集が開きます

(スライドショーが見られない方はこちらへ)

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