ホーキング博士が警告 滅亡をもたらす「人間の欠点」とは

イギリスの理論物理学者、スティーヴン・ホーキング博士は、私たちはもっと差し迫った危機に直面していると語った。それは、私たち自身の行動がもたらすものだという。
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Stephen Hawking arrives for the British Academy Film and Television Awards 2015, The BAFTAs, at the Royal Opera House, in London, Sunday, Feb. 8, 2015. (Photo by Jonathan Short/Invision/AP)
Jonathan Short/Invision/AP

小惑星の衝突で地球が滅亡する、世界的に疫病が蔓延する、大規模噴火が発生する――そんな類の話ではない。イギリスの理論物理学者、スティーヴン・ホーキング博士は、私たちはもっと差し迫った危機に直面していると語った。それは、私たち自身の行動がもたらすものだという。

「私がもっとも正したい人間の欠点は攻撃性です」。イギリスの新聞「インディペンデント」によると、ホーキング博士は、ロンドンの公式観光案内サイト「ビジット・ロンドン・ドットコム」が行った「ゲスト・オブ・オーナー(来賓)」コンテストの優勝者アデーゼ・ウヤンワさんにこう語ったという。「攻撃性は、洞窟で暮らしていた時代には、より多くの食べ物、土地、生殖のパートナーを獲得して生き延びるために好都合だったのかもしれませんが、いまでは私たちすべてを破滅させるおそれがあるのです」

ウヤンワさんはカリフォルニアに住む24歳の女性。優勝者の特典の1つが、ホーキング博士とロンドン科学博物館をめぐる、というものだった。

博物館を案内されているときに、ウヤンワさんはホーキング博士に質問をした。最も変えたいと思う人間の欠点は何で、最も強化したいと思う特徴は何かという質問だ。そこでホーキング博士が選んだのは攻撃性だった。そして、「核戦争が起これば文明が破壊され、人類も生きていけなくなる」と警告した。私たちに必要なのは攻撃性ではなく、共感だという。ホーキング博士は「共感があれば、私たちに平和に愛し合う状態がもたらされる」と語った。

ホーキング博士がウワンヤさんに語った『博士と彼女のセオリー』〔訳注・2014年に製作されたホーキング博士と元妻の関係を描いた映画のタイトル〕についての話題は、地球外での人類の未来にも及んだ。

地元紙「ケンブリッジニュース」によると、ホーキング博士は「長期的に見た人類の将来は、宇宙空間にあります。これは私たちが将来も生き延びるために重要な生命保険であると私は考えています。地球以外の惑星に移住することで、人類が消滅してしまうことを防ぐ可能性があるからです」と語った。

ホーキング博士は、人類が月面に着陸したことは「私たちがまだ理解できない方法で人類の未来を変えた」と語っている。

「月面に着陸したからといって、私たちが抱える緊急の課題が解決されたわけではありません。しかし、私たちに課題に対して新しい視点を与え、外の世界と内の世界の両方を見せてくれたのです」とホーキング博士は語った。

地元紙「デイリー・メール」によると、ウヤンワさんは、ホーキング博士との出会いは一生の思い出になったと話した。

「いまから数十年後、私の孫が科学の授業でスティーヴン・ホーキングの理論を習うときに、私は彼と実際に会って直接彼の考えを聞いたのよと話せると思うと、信じられません。忘れられない思い出になりました」

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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