アメリカの財政問題の影響で中に入れなくなっていた、自由の女神像などがアメリカでの連休初日となる10月12日から相次いで再開する。地元の各州が経費を負担することで国立公園局と合意した。一方、ヨセミテなどの人気の観光地を抱えるカリフォルニア州は「財政に余裕がない」として静観の構えを見せているという。朝日新聞デジタルが報じた。
再開するのはアリゾナ州のグランドキャニオン国立公園や、ニューヨーク州の自由の女神像、コロラド州のロッキーマウンテン国立公園、ユタ州のザイオン国立公園など。一部は11日に部分再開した。連邦政府に代わり、各州政府が人件費や諸経費を負担する。額はユタが1日最大167万ドル(約1億6500万円)、アリゾナ同65万1千ドル、ニューヨーク1日6万1600ドル、コロラド同4万300ドル。自宅待機となっていた職員らが戻って運営にあたる。
(朝日新聞デジタル「自由の女神など再開へ 米政府閉鎖、地元の州が経費負担」2013/10/12 12:04)
地元の州が多額の経費を負担する事になったが、自由の女神は一日1万人が訪れる観光名所ということもあり、閉鎖の影響でこれまで7000万円以上の損失を被ったという指摘もある。長期閉鎖による地域経済への悪影響を考慮した結果の苦渋の決断と言える。
NHKニュースは以下のように報じている。
ニューヨーク州によりますと、閉鎖が始まった今月1日以降およそ400人が職を失ったと言うことで、クオモ知事は「閉鎖は地元経済や観光業に多大な影響を与えている。連邦政府の機能不全のために世界的な観光名所を閉鎖し続けるわけにはいかない」とコメントしています。
(NHKニュース「米 自由の女神像などの公開を再開へ」2013/10/12 11:50)
アリゾナ州のグランドキャニオン国立公園も12日から公開が再開されることになったが、費用を肩代わりするアリゾナ州は「長期間、費用を出し続けられるわけではなく、一国も早く自体が解決されることを望む」と、予算成立を呼びかけているという。
政府機関が閉鎖に追い込まれるほど、政府予算案について上院と下院の議会で紛糾している理由は、上院では民主党が多数を占めているのに対し、下院では共和党が多数を占める、いわゆる「ねじれ」の状態にあるためだ。
また、与野党の対立で、予算が成立しないだけでなく、アメリカ政府の借金の債務上限を引き上げることができず、債務不履行に陥りかねない状況だ。10日、オバマ大統領と野党・共和党指導部は、6週間の短期間に限り、債務上限を引き上げるという共和党が出した妥協案について協議したが、この会談では結論は出ず、双方は協議を続けている。
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