スターバックス、初の高級店をオープン コンセプトは「チャーリーとチョコレート工場」

スターバックスは12月5日、同社の本拠地であるワシントン州シアトルで、カフェと焙煎所を併設した初の高級店をオープンした。まだ小さいが成長しつつある「コーヒー通」の市場に進出をねらっている。
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Starbucks

スターバックスは12月5日、同社の本拠地であるワシントン州シアトルで、カフェと焙煎所を併設した初の高級店をオープンした。まだ小さいが成長しつつある「コーヒー通」の市場への進出をねらっている。

「スターバックス・リザーブ:焙煎とテイスティング・ルーム(Roastery and Tasting Room)」と名付けられたこの店がオープンした場所は、同社の1号店がある場所から9ブロックしか離れていない。スターバックスでは、珍しいコーヒー豆を少量ずつ焙煎して提供するこの店舗を、今後1年間で全米の主要都市に、少なくとも100店は展開する計画だ。

スターバックスのハワード・シュルツ最高経営責任者(CEO)はCNBCの取材に対して、「私たちは、こんなお店をオープンすることを夢見てきました。コーヒーが焙煎されるときに生まれるさまざまなドラマやロマンスに浸れる、劇場のような場所です」と語っている。

シュルツCEOはさらに、新しい店舗のバリスタたちが忙しそうに働く前でこう述べた。「この店は、映画『チャーリーとチョコレート工場』に出てくる夢のような工場のコーヒー版なのです」

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たしかに、この新しくオープンした1万5000平方フィート(1400平方メートル弱)の店には、銅製の大きなコーヒーディスペンサーが並んでいて、クラシックな工場のような趣がある。ただし、映画の主人公であるチャーリー・バケットのような貧しい子供たちがこの店に来るとは思わない方がいい。スターバックスの高級ブランド、星と大文字のRがシンボルマークの「スターバックス・リザーブ」の豆は、1ポンド(450グラム強)あたり45ドル(約5360円)もする場合があるのだ(スターバックス・リザーブは日本でも一部の店舗で扱われており、1杯2000円のコーヒーなどが提供されている)。

新店舗では、希少なコーヒー豆が、駄菓子店のキャンディのように少量に分けて置かれており、タブレットサイズの黒板には、豆の名前などが書かれている。

木製のバーカウンターでは、客が「Pour Over」(ポア・オーバー)を注文できる。ポア・オーバーとは、注文毎に1杯ずつ丁寧に淹れるコーヒーのことだ。バーカウンターには、「私たちを導いているのは、理性を超えた情熱だ」といった言葉が彫られている。

スターバックスは近年、激しい競争に直面している。主なライバルであるダンキン・ドーナツが西海岸にまで勢力を拡大しているほか、小さなコーヒー店が全米で急速に増えている。また、ブルーボトルコーヒーや、スタンプタウン・コーヒー・ロースターズなどお洒落な新興勢力にも対抗する必要がある。

ロイターの記事は、アメリカのコーヒー市場は2013年には279億ドル(約3.3兆円)の規模だが、2018年までには337億ドル(約4兆円)に拡大するという、調査会社IBISWorldの予測を紹介している。ただし、このデータでは高級コーヒー店の売り上げは区別されておらず、一括で扱われている。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:佐藤卓、合原弘子/ガリレオ]

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