実験ノート、正しく使ってる? 理研が全研究員にアンケート STAP細胞論文巡り

小保方晴子さんらが発表したSTAP細胞の論文に、不正があるとされている問題で、理化学研究所(理研)が同研究所の全研究員に、実験ノートの記録や管理の仕方などについて、アンケートを実施していることが分かった。
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Ryoji Noyori, a Nobel Prize-winning chemist and president of Riken, pauses during a news conference in Tokyo, Japan, on Friday, March 14, 2014. Japan's Riken center apologized for errors in a pair of studies that had outlined a simpler, quicker way of making stem cells and said the institute is considering recommending a retraction. Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg via Getty Images
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STAP細胞の論文を巡る問題で、理化学研究所(理研)が同研究所の全研究員に、実験ノートの記録や管理の仕方などについて、アンケートを実施していることが分かった。4月15日、スポニチなどが報じた。

理研関係者によると、アンケートは2種類。一つは記名式で、「所属する研究室で不正を起こさないためのルールがあるか」「研究室独自で倫理教育をしているか」「実験ノートなどは書き換えや上書きができない形式で記録されているか」など実験や論文の発表の際の倫理観や、各研究室での取り組みに関する質問27項目がある。

 

もう一つは無記名式の「誇りを持って研究を続けていくには?」というタイトルで、「STAP細胞論文問題に関心があるか」「理研の調査委員会の報告についてどう考えるか」など7項目。

 

(スポニチ「理研、実験ノートの実態調査で全研究員にアンケート」より 2014/04/11 14:03)

4月1日に理研がまとめた最終報告書では、STAP細胞論文執筆にあたって小保方さんが残したノートは、3年で2冊のみであったとされている。また、実験ノートには、日付、研究内容、署名を記載し、ページに余白が残る場合は、後から追加で書き込むのを防ぐよう、斜線を引いて埋めるなどするのが適切とされているが、小保方さんが残したノートには、日付すら記載されておらず、そうした要件が満たされていなかったという。

これに対して小保方さんは4月9日の記者会見で、ノートはアメリカにもあるとしており、「4、5冊ある」と述べている。

なお、iPS細胞の研究でノーベル賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授は4月4日に国会で答弁し、研究の不正防止策について「日ごろのノートの記録が非常に大切」と述べ、自身の所属する研究所でも、学生を含めた研究者全員にノートの書き方を指導していることを紹介。「ノートを出さない人は、不正をしているとみなすと話している」と、ノートの重要性を強調している。