サッカー女子W杯、決勝戦後スタジアムが「平等な報酬を!」の歓声に包まれる

FIFA会長が入場するとスタジアムが一体となって声をあげた
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フランスで開催されていたサッカー女子ワールドカップは7月7日(現地時間)に決勝が行われ、アメリカがオランダに2-0で勝って2連覇4度目の優勝を果たした。

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2019年のワールドカップで優勝したアメリカチーム
Maddie Meyer - FIFA via Getty Images

大きな注目を集めた女子ワールドカップだが、女子選手と男子選手の報酬格差が長年の問題になっている。

決勝戦後、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長とフランスのマクロン大統領が競技場に入場すると、スタジアムは平等な報酬を求める声に包まれた。

 「『平等な報酬を!』の声が続く」

 「FIFA会長とエマニュエル・マクロン大統領が入場してくると、スタジアムが一体となって『平等な報酬を』と叫ぶ声に包まれた」 

「インファンティーノ会長がステージに立った。スタジアム中が『平等な報酬を!』の叫び声に包まれている」

 「FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長が競技場に入ってくると、スタジアム中から『平等な報酬を!』の歓声が上がった」

世界中の選手たちがFIFAに対して改善を求めるようになり、近年さらに脚光を浴びているワールドカップの報酬不平等問題。

ニューヨークタイムズによると、2019年の女子ワールドカップ賞金は3000万ドル(約32億5200万円)だった一方、前年に開かれた2018年男子ワールドカップの賞金は4億ドル(約433億6800万円)だった。

決勝戦前の7月5日にインファンティーノ会長は記者会見し、サッカー女子ワールドカップの賞金を2倍にすると提案した。しかし、ジェンダー格差はまだまだ埋まっていない。またFIFAはこれまでにも同じような提案をしてきた。

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記者会見するジャンニ・インファンティーノ会長
Alex Caparros - FIFA via Getty Images

FIFAは2018年に、2019年女子ワールドカップ大会の賞金を倍額の3000万ドルにすると発表した(それまでは1500万ドルだった)。

しかし同時に、男子ワールドカップの賞金を4000万ドル追加すると発表した。これにより、男子サッカーチームの賞金総額は4億4000万ドル(約477億480万円)になる。

女子サッカー選手と支援者たちは「サッカーにおけるジェンダー平等の中でも、報酬格差は大きな問題の一つだ」と長年訴えてきた。また、FIFAが女子サッカーを男子サッカーと同等に扱うことに無関心であるとも訴えてきた。

男女平等を実現できていないのは、FIFAだけではない。

ワールドカップ開催中の7月3日、50人を超えるアメリカの国会議員たちが、女子チームに平等な支払いをするようアメリカサッカー連盟に求める書簡を送った

議員たちは、女子サッカーの選手たちの基本給が男子選手に比べて3万ドル(約325万円)低いことだけでなく、ワールドカップ出場を決めた際に支払われる特別報酬も、女子チームの方が低いと指摘した。

「過去3年間のアメリカ女子チームの試合の総収入が、男子チームの試合より多かったことを考えると、この不平等な状態にはさらなる疑問を抱かざるを得ません」と書簡には書かれている。

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。