スリランカがこの40年間で最悪の干魃「生き残る道がありません」

「喉が渇いて死にそうです」
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スリランカは40年来最悪の干ばつに見舞われていると当局が発表した。

スリランカ政府によると、スリランカはこの40年間で最悪の干魃(かんばつ)に見舞われているという。中東カタールの衛星テレビ局「アルジャジーラ」は、100万を超える人々が深刻な水不足に直面していると伝えている。スリランカ政府は、長期間にわたる干魃が今後も続くと警告している。

スリランカは数カ月前からひどい干魃に襲われると警告を受けていた。2016年は年間を通してスリランカ全土でほぼ雨が降らなかった。ロイター通信によると、平均年間降雨量が60%から70%減少した地域もあったという。

2016年10月、雨が降らず、炎天下が続いたため、地域によっては井戸や貯水池が干上がったところもあった。「喉が渇いて死にそうです」と、最も深刻な干魃に見舞われた地域のひとつ、ノースセントラル地方の村に住むティサ・ポディバンダさんが、ロイター通信に語っている。

2016年以来、スリランカの主要な貯水池は日照りの被害を受けている。スリランカ気象局のラリス・チャンドラパラ局長は、国の主な貯水池の水量は30%以下だと語った。これは、この時期の通常の稲作に必要な量の半分以下だ。

スリランカ政府は、6月または7月まで雨が見込めず、降雨不足は次のモンスーンまで続くだろうと予測している。そうなると、水不足が深刻化し広い地域で被害が出るだろう。2017年後半には、コメ不足の深刻化も考えられる。

スリランカ災害管理センターによると、灌漑用水が不足しているため、国の水田の約3分の1でしかコメが作れないという。30年で最悪の稲作時期だと伝えられている。

「水田は全滅しました。生き残る道がありません。飲み水さえもありません」と農家のラバンダさんはアルジャジーラに語った。

スリランカは水力発電に大きく依存している。そのため、干魃はスリランカのエネルギー分野にも影響を及ぼしている。スリランカの新聞「サンデー・リーダー」紙によると、干魃が続いていることで、政府所有の「セイロン電気委員会」は、民間企業から5000万ドル(約56億円)以上の電気を購入しなければならない。

「干魃は、農業と水力発電の両方に影響を及ぼしています。1970年代以来最悪の干魃です」とチャンドラパラ氏は2月下旬にアルジャジーラに語った。

スリランカは数十年来最悪の干魃にみまわれている。100万人を超える人々が被害を受け、深刻な水不足に直面している。

スリランカでは干魃と洪水が繰り返されている。スリランカは熱帯の島国で、「気候変動の影響を受けやすい」と言われている。近年では、2016年5月の暴風雨など、干魃が洪水で解消される、という状態が常態化している。

現在モルジブで干魃の調査をしている、スリランカの著名な気候科学者ラリーフ・ズブエア氏は2月21日、ハフィントンポストUS版の取材に答えてこう語った。

「乾燥はひどくなる一方です。1年おきに、ひどい水不足に見舞われます。農家もこのことに気付いていて、彼らに話を聞くと干魃の話ばかりします」

気候変動は、干魃や洪水といった世界中の異常気象と深く関連しているが、スリランカでは、そういった異常気象が実際に進行していることが、目に見える形で現れている。

「気象パターンが変化しているのが分かります。予期しない天候に関連した災害が増えています」と、スリランカのマヒンダ・アマラウィーラ災害管理大臣は2013年、国連の気候イベントで語った。そして、彼は、スリランカは今後こうした災害に十分備えたほうがよい、と忠告した。

ズブエア氏は、スリランカが「深刻な気候の影響を受ける」リスクがあっても、今のところこうした状況は「ほどんど理解されていない」と指摘した。

「この地域では、正確な調査ができていません」と彼は話した。「もちろん、さらに活動と調査が必要です。これから深刻な事態に見舞われるでしょう。真剣に捉えなければなりません」

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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