冬の寒さに当てる寒締(かんじ)め栽培したホウレンソウはフラボノイド量が倍以上増加して抗酸化力が高まった、と農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)東北農業研究センター(岩手県盛岡市)の研究チームが発表した。
ホウレンソウは、ベータカロチンやビタミンCのほか、鉄などのミネラルが豊富で、細胞に有害な活性酸素を消去する「抗酸化力」があるフラボノイド(ポリフェノール化合物の一種)も多く含まれる代表的な健康野菜。
寒締め栽培は、ホウレンソウやコマツナなどが寒さに耐えるために葉に糖などを蓄えることを利用し、生育後にビニールハウスの扉や窓を一定期間開放して冷気にさらす葉物野菜の栽培方法。農研機構東北農業センターが開発した。
研究チームは、ビニールハウスで3品種のホウレンソウを出荷サイズまで育てた後、33日間 寒締め栽培を続けた。収穫したホウレンソウを寒締め栽培前のホウレンソウとフラボノイド総量を比較した。その結果、3品種とも寒締め栽培したホウレンソウの方が倍以上多かった、という。研究チームは、低温による酸化ストレス上昇を防ぐ仕組みとして抗酸化物質が増える、とみている。
農研機構東北農業センターは今回の研究結果について「東北地域での冬場の高機能ホウレンソウ生産に寄与すると期待される」としている。
【関連リンク】
・農研機構プレスリリース「ホウレンソウは寒締め栽培で抗酸化能が高まる」
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