ドイツの週刊誌「デア・シュピーゲル」は2月4日発売号で、アメリカのトランプ大統領が「自由の女神」を斬首するイラストを表紙にした。シリアやイランなどイスラム圏7カ国からの入国を拒む大統領令に署名したことへの怒りの表明だ。
ドイツのDPA通信によると、シュピーゲル誌のクラウス・ブリンクボイマー編集長は「私達の表紙イラストは、1886年から移民や難民を歓迎してきたシンボルをアメリカ大統領が斬首し、アメリカから民主主義と自由を奪おうとしている姿を描いたものだ」と述べたという。
この表紙を描いたのは、9歳でキューバからアメリカに移住したエーデル・ロドリゲス氏だ。イラストの隣にはトランプ氏がよく使うスローガン「アメリカ・ファースト」と書かれている。
ロドリゲス氏はワシントン・ポストに対して、以下のようにコメントしている。
私は独裁主義の国には住みたくありません。もし独裁主義を求めていたなら、私はキューバに住んだままだったでしょう。あっちの方が気候が暖かいですし
■「ISを連想させる」ドイツ国内では反発が相次ぐ
ディ・ヴェルトは、今回のイラストについて「ジャーナリズムの価値を減じるものだ」という見出しで報じた。斬首を繰り返すイスラム教過激派「イスラム国」(IS)の犯行とトランプ大統領を比較することで注目を浴びようとしていると酷評した。
フランクフルター・アルゲマイネも、この表紙を批判した。こうしたイラストは「メディアがトランプ氏に偏見を持っている」という、トランプ氏支持者の確信を強めるだけだと主張している。
■関連スライドショー(トランプ大統領令への抗議デモ)
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