会社の大きな節目を、従業員と一緒に祝いたい。
アメリカの人気補正下着ブランド「スパンクス」のサラ・ブレイクリーCEOは10月25日、世界中の好きな場所に行けるファーストクラス航空券2枚を、従業員に支給すると発表した。
これは、同ブランドの株式の過半数を、投資ファンド・ブラックストーンに12億ドル(約1360億円)で売却することが決定したお祝いだ。
サプライズ発表の様子を、ブレイクリー氏はInstagramでシェア。思いがけない発表に、従業員たちは信じられないといった表情を見せている。
また、CEOからのプレゼントは航空券だけではなかった。
ブレイクリー氏は「旅行に行ったら、素敵なディナーに行きたいかもしれません。素敵なホテルに泊まりたいかもしれませんよね」と言って、航空券に加えて1人1万ドル(約114万円)を支給すると伝えた。
2度目のサプライズを聞いて、中には涙ぐむ従業員も。多くの人はすでに旅先を決めているようで、行きたい場所を聞かれて、南アフリカや日本、ボラボラ島へハネムーン、など思い思いの場所を口にしている。
ブレイクリー氏は「今回の出来事を、従業員の皆さんにもそれぞれの方法で祝ってもらい、一生の思い出を作って欲しかった」とInstagramにつづっている。
道を作ってくれた女性たちに感謝
ブレイクリー氏は20代だった2000年に、5000ドル(約56万円)の貯金を元手にしてスパンクスを立ち上げた。
ビジネス経験がほとんどない中での起業だったが、スパンクスはケイティ・ペリー氏やクリッシー・テイゲン氏など著名人にも愛される人気ブランドに成長した。
ブレイクリー氏は2012年にはフォーブスの「セルフメイドウーマン」として、世界長者番付にランクインし、タイム誌の世界で最も影響力のある100人にも選ばれている。
ブレイクリー氏は22日の従業員への発表で、女性起業家は男性起業家に比べて、資金提供を受ける機会が圧倒的に少ない点も強調。
今回の株式売却は「女性起業家にとって、とても重要な出来事」であり、「ここに至る道を作ってくれた女性たちや、このような機会に恵まれていない世界中の女性たちにも感謝を示し、乾杯したい」と述べた。
ブラックストーンに株式を売却した後も、ブレイクリー氏は多くのスパンクスの株式を保有し、同社の重役に就任して日々の業務を統括するという。