昆虫の共生細菌の中には、感染を広げるために宿主の生殖を操作するものがある。
スピロプラズマ属細菌Spiroplasma poulsoniiはショウジョウバエ(Drosophila)の共生細菌で運動性を持ち、感染した雌の子のうち、雄だけを発生中に殺すが、その仕組みは不明であった。
今回、春本敏之とB Lemaitre(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)は、この細菌から雄殺しに関わるタンパク質を突き止めてSpaidと名付け、これが細胞死と神経の異常を誘発することを明らかにしている。
また、このタンパク質が、性決定に関わる遺伝子量補償複合体を標的とすることも示している。
Nature557, 7704
原著論文:
:10.1038/s41586-018-0086-2
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