火星有人飛行の設計で慶応チーム優勝

2018年に打ち上げて、男女2人が501日間宇宙船で生活し、火星に着陸せずに、周りを回って地球へ帰還するという設定で、ミッションを設計する国際学生コンテストで、慶應義塾大学と米パデュー大学の学生を中心としたTeam Kanau(チーム・カナウ)が優勝した。
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2018年に打ち上げて、男女2人が501日間宇宙船で生活し、火星に着陸せずに、周りを回って地球へ帰還するという設定で、ミッションを設計する国際学生コンテストで、慶応義塾大学と米パデュー大学の学生を中心としたTeam Kanau(チーム・カナウ)が優勝した。

宇宙船に男女1人ずつを乗せて地球から火星に向かい、できる限り安く、安全に火星を周回して地球に帰るというミッションの設計内容で競った。火星に初めて人類を送ることを目指しているインスピレーションマーズ財団(世界初の宇宙旅行者で大富豪のデニス・チトー氏が設立、主宰)が主催した第1回ミッションデザイン国際学生コンテストで、8月9日に米ヒューストンで開かれた。案を提出した10カ国以上の38チームから選ばれた10チームが最終プレゼンテーションをした。審査の結果、Team Kanauの優勝が決まった。

Team Kanauは現在のロケット技術を念頭に、3回に分けて打ち上げて軌道上でドッキングして、火星に向かうシステムを設計した。乗組員の精神的ケアに配慮した宇宙船のインテリアデザインや地球帰還の際に必要な宇宙船の減速、冗長系を組み合わせた各生命維持サブシステムなどに特徴を備え、技術成熟度とコスト、スケジュールを考えて、2018年の打上げが実現可能な計画を提案したことが評価された。

Team Kanauのカナウは協力の「協」と夢が「かなう」のふたつの意味を込めて名付けた。慶応義塾大学とパデュー大学の学生や大学院生ら約10人が参加して議論しながら、デザインを構築した。チーム代表の慶応義塾大学大学院システムデザインマネジメント研究科の大学院生、飯野翔太さんは「火星有人飛行のコンセプト全体を示した。18年までの技術開発や、宇宙船での日常生活も考えた。宇宙関係のさまざまな専門家に相談しながら、デザインした。強豪チームが多かったので、優勝が発表されたときの喜びは大きかった。この火星有人飛行のデザインは今後、日米の宇宙科学関連学会で発表していく」と話している。

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