スペースXの「世界最強」ロケット、歴史的達成。打ち上げ、サイド・ブースターの地上回収ともに成功

地球と火星を周回する軌道を目指す。
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A SpaceX Falcon Heavy rocket lifts off from historic launch pad 39-A at the Kennedy Space Center in Cape Canaveral, Florida, U.S., February 6, 2018. REUTERS/Steve Nesius
Steve Nesius / Reuters

SpaceXはFalcon Heavyの最初のテスト発射に成功した。この大型ロケットはFalcon 9のブースターを3基用いており、ライバルの2倍以上の大重量のペイロードを衛星軌道に投入する能力がある。今日(米国時間2/6)東部時間午後1:30、フロリダ州ケープカナベラルのケネディー・スペースセンターのLC-39A発射施設からFalcon Heavyは予定どおり打ち上げられた。

今回の打ち上げはSpaceXにとって歴史的な達成となった。同社は2011年から大型ロケットの運用能力を獲得しようと努力してきた。当初の目標は2013年だったが、さまざまな事情がこれを妨げて、延期を重ねてきた。それが今日ついに成功した。SpaceXが当初2年で大型ロケットを打ち上げられると考えていたがイーロン・マスクはその後「あれはうかつな考えだった」と述べた。結局スケジュールには大幅な遅れが生じた。

Falcon Heavyは Merlinエンジンを9基装備するブースターを3基用いる(Falcon 9の3倍だ)。地球低軌道への衛星打ち上げ能力は140,700

lbs(63.8トン)、静止遷移軌道(GTO)へは 58,900 lbs(26.7トン)だ。さらに火星に37,000 lbs(16.8トン)のペイロードを送ることができる。SpaceXはFalcon Heavyを火星有人探査計画のカギと考えているため、こうした数字はそれぞれ重要だ。

SpaceXの今回のテストで、イーロン・マスクのチェリーレッドのTesla Roadsterは地球と火星を周回する軌道を目指す。Teslaの運転席にはSpaceXで開発された宇宙服を着たダミーが着席している。データストレージにはアイザック・アシモフの偉業を記念して宇宙SFの古典3部作が収められている。またSpaceX社員全員の名前を刻んだネームプレートも搭載されている。ミッションが成功すればこうしたペイロードは10億年にもわたって宇宙を旅し続けることになるはずだ。

SpaceXがNASAからリースしているケネディー・スペースセンターのLC-39Aも歴史的な重要性をもつ発射施設だ。SpaceXが利用する以前はNASAのスペースシャトル、さらにそれ以前はアポロ計画で用いられた。

SpaceXではブースター3基をそれぞれ回収する計画で、うち両サイドの2基については順調に地上回収に成功している。中央のブースターは大西洋上のドローン艀上に着陸させる予定だ。われわれはその成否についてSpaceXからの公式発表を待っている。

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(2018年2月7日TechCrunch日本版より転載)