藤井聡太四段が公式戦29連勝、30年ぶり新記録 増田康宏四段を11時間の激闘で破る

史上最年少で中学生のプロ棋士・藤井聡太四段(14)が6月26日、東京・千駄ヶ谷の将棋会館で開かれた「第30期竜王戦」の決勝トーナメント1回戦で増田康宏四段に勝ち、デビュー戦から負けなしで「公式戦29連勝」を達成した。

史上最年少で中学生のプロ棋士・藤井聡太四段(14)が6月26日、東京・千駄ヶ谷の将棋会館で開かれた「第30期竜王戦」の決勝トーナメント1回戦で増田康宏四段に勝ち、デビュー戦から負けなしで「公式戦29連勝」を達成した。

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「29」のボードを手に会見場に立つ藤井聡太四段(6月26日撮影)

この日の対局に勝利したことで、神谷広志八段(56)が五段時代の1987年に記録した歴代最多の連勝記録「28」を上回り、連続勝利記録で歴代トップの「29」となった。

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この日の対局は午前10時から開始。先手の藤井四段は得意とする「角換わり」(互いに「角行」を交換する戦型)を目指すも、後手の増田四段がこれを拒否。盤上では、定跡から外れた戦いが繰り広げられた。



藤井四段は積極的に攻め、中盤では先日引退した加藤一二三九段が得意とした「棒銀」(棒のように銀将を前線に突き進める戦術)の構えを見せた。これに対し、増田四段は巧みに反撃。盤上は、ほぼ互角となった。

午後6時の夕食休憩を挟み、一時は増田四段へと形勢が傾き、「藤井劣勢」と見る向きもあった。ところが、藤井四段が終盤で徐々に巻き返すことに成功。「角行」と「桂馬」で猛攻を見せた。

増田四段は72手目で「6八歩」、82手目で「8九龍」と相手玉を果敢に攻めたが、持ち時間に余裕があった藤井四段が終盤のリードを維持。午後9時24分、ついに増田四段が投了を宣言。藤井四段が前人未到の「公式戦29連勝」を成し遂げた。対局開始からおよそ11時間の大熱戦だった。

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対局を終えた藤井聡太四段(6月26日撮影)

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