【藤井聡太四段】29連勝を懸けた大一番、夕食注文でアクシデント 何を頼んだ?

この日、将棋ファンの間では、藤井四段が夕食でも麺類を注文するかどうか、注目が集まっていた。
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史上最年少のプロ棋士・藤井聡太四段(14)が6月26日午前10時から、「第30期竜王戦」決勝トーナメント1回戦で増田康宏四段との対局に臨んでいる。この対局に勝てば、歴代最多となる「公式戦29連勝」を達成する。

この日の対戦相手は、藤井四段に次いで若い棋士の増田康宏四段(19)。奇しくも藤井四段と同じく、5歳から将棋を始めたという俊英だ。16歳でプロ入り。藤井四段には非公式戦で一度敗れているが、2016年の新人王戦で優勝した若手の強豪。「藤井が関西の天才なら、増田は関東の天才」と称される。

午前10時に対局が始まると、先手の藤井四段は得意とする「角換わり」(互いに「角行」を交換する戦型)を目指すも、後手の増田四段がこれを拒否。盤上では、定跡から外れた戦いが繰り広げられている。藤井四段は攻めの姿勢。中盤では、先日引退した加藤一二三九段が得意とした「棒銀」(棒のように銀将を前線に突き進める戦術)の構えを見せた。これに対し、増田四段は巧みに反撃。未だ予断を許さない戦況だ。



昼食はスタミナたっぷり「豚キムチうどん」

藤井四段といえば、対局中の食事には、そば・うどんなど麺類をオーダーすることが多く、28連勝を達成した対局では「胡麻味噌とじうどん」を注文している。

この日、29連勝をかけた大一番の昼食には、将棋会館近くの定食屋「みろく庵」の「豚キムチうどん」をオーダーした。直後に同店では「豚キムチうどん」の注文が相次ぎ、売り切れになったという。


この日、「ニコニコ生放送」の対局中継番組で解説を務める谷川浩司九段は、「棋士は麺類が多いですかね。早く食べられて消化にも良さそうなものを、と。私もそうですね」と、番組内で解説した。

藤井四段、「昼も夜も、麺類」なるか。注目の夕食は…

将棋の公式戦では、5時間以上の対局になると夕食休憩が設けられる。この日、将棋ファンの間では、藤井四段が夕食でも麺類を注文するかどうか、注目が集まっていた。

午後4時45分ごろ、将棋連盟の職員が対局室に夕食の注文を聞きに訪れた。藤井四段はじっくり3分ほど複数のメニューを眺めてから、ささやくような声でメニューを伝えた。藤井四段は夕食に何を注文したのだろうか。ハフポスト日本版は、日本将棋連盟広報課に取材した。

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夕食のメニューを考える藤井四段(2017年6月26日、niconicoより)

同連盟の広報担当者によると、藤井四段は将棋会館に近い渋谷区・神宮前にある「紫禁飯店」の「五目チャーハン」(1000円)を注文した。ところが、ここでアクシデントが発生。五目チャーハンが品切れだったという。そのため、藤井四段はメニューを変更した。

結局、藤井四段は夕食に何を注文したのだろうか。日本将棋連盟の担当者はこう語る。

「藤井四段はメニューを変更し、ワンタン麺(850円)を注文しました。紫禁飯店は、最近から出前のメニューに加わりました。というのも、昨年12月から(将棋ソフトによる不正防止策として)対局中の棋士の外出が禁止になり、出前の注文が増えたことで最近から出前のラインナップに加わりました。これまで棋士からの注文数はそこまで多くない印象ですが、量が多いイメージがあります」

迎え撃つ増田四段は、将棋会館近くの鰻店「ふじもと」の「ヒレカツ定食のライト」(1000円)と「肝吸い」(200円)を注文した。この「ふじもと」は多くの棋士が利用しており、引退した加藤一二三九段も「うな重」を頻繁に注文した店だ。

増田四段は昼食では「ミニとんかつ定食」を注文。「昼も夜も、かつ」となり、「この大勝負に“勝つ”」という縁起を担いでいるのかもしれない。

午後6時、藤井四段と増田四段は夕食休憩に入る予定。30年ぶりの大記録が懸かった大一番は、いよいよ終盤へと突入する。

■棋士の個性が現れる「将棋めし」 ファンも注目

将棋では、夜遅くまで対局が続くことも多い。ファンの間では、棋士がエネルギーを補給するために対局で食べる食事にも注目が集まる。

食事には棋士の個性が表れることも多く、現役を引退した加藤一二三九段は、「昼も夜も、うな重」の伝説で知られている。棋士の食事を題材にした漫画『将棋めし』も人気だ。

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