ソニー映画会社への攻撃、被害額は120億円にも=米シンクタンク
ソニー
サイバー攻撃によりSPEには、被害調査や攻撃を受けたコンピュータの修復・交換、再発防止策などの費用がかかっている。
米戦略国際問題研究所(CSIS)のジム・ルイス上級研究員は、攻撃により同社の情報セキュリティに関する信用度が傷つけられたとの見方を表明。「通常、人々の信頼度は回復するが、短期的には影響が出る」と指摘し、ソニーの被害額は1億ドル(約120億円)に達する可能性があると述べた。一般的に、被害額の全容が明らかになるまでには少なくとも半年かかるという。
ソニー傘下の企業としては、ゲーム子会社が2011年にプレイステーションのネットワークに対する大規模なサイバー攻撃を受け、利用者データの漏えいで1億7100万ドルの被害が出た。今回は顧客情報の漏えいは発生していないため、CSISはこの額を下回るとみている。
関係筋によると、ソニーはデータ流出に関する保険に加入しているが、通常は一部の被害しか補償されないという。
ほかにも、マッコーリー・リサーチのアナリストはソニーが減損費用として100億円を計上すると予想した。
米国でサイバー攻撃の訴追を担当していたマーク・ラッシュ氏は、被害額は最高で7000万ドルに上るとの見方を示している。SPEは2014年3月期に5億0100万ドルの営業利益を出しており、サイバー攻撃の被害による全体への影響は限定的とみられる。ただ、企業秘密の漏えいなどの影響は査定が難しいという。
今後、もし映画スターやプロデューサー、投資家などが競合他社へ流れた場合、被害はさらに拡大することになる。
ソニーは被害について調査中だとして、費用の見通しに関する言及を避けている。
[ロサンゼルス 9日 ロイター]