ソニー平井社長、VAIO事業の売却やテレビ子会社化など合理化を説明

ソニーの2013年度Q3業績説明会より。平井社長による説明の概要をお伝えします。
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ソニーの2013年度Q3業績説明会より。平井社長による説明の概要をお伝えします。

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PC事業の売却と、TV事業の独立子会社化について。

TV、PCとも大幅に改善はあったものの、今期の黒字化は未達になる。

PCについて。VAIOブランドを日本産業パートナーズが設立する新会社に売却。

業界構造の大きな変革に追従するため。

これまで購入した客へのアフターサポートはもちろん、継続する。

VAIOを担当してきた赤羽良介が中心経営担当。

当初は日本向けなど、適切な規模で経営。

長野サイトを拠点とする。

立ち上げと円滑な事業移行をサポートするため、当初はソニーからも5%出資する。

PC部門の社員は、新会社に移るか、グループ内の別部署に転換を図る。

それが困難な場合のため、早期退職者を募っている。

テレビ事業について。

合理化を続けて赤字の大幅な削減は果たしたものの、今期の黒字化は未達。

効率的でスピーディーな体制のため、また経営責任の明確化のため、独立した子会社化して黒字達成を目指す。

施策は4Kや広色域など、高付加価値化。テレビ事業の技術は、ソニー全社的に貢献できる。

そのほか、販売・製造・本社間接部門の効率化を進める。構造改革費用として追加で200億円、合計で500億円。2015年以降は年間1000億円以上の効率化を想定。

最後に、バッテリー事業について。

Q3にバッテリー事業で減損を計上した。バッテリーはソニーのコア事業域にとって重要なコンポーネント。コモディティ化が進む分野については「事業規模の適正化」を図るものの、モバイル機器などで需要が高まるリチウムポリマーバッテリーなどは重点的に力を入れる。

(更新中)

質疑。

Q. VAIOに関して、去年は黒字化が可能だという話だった。何が間違っていて、こういった経営判断になったのか?事業部からの報告が間違っていたのか、どのプロセスに間違いがあったのか。PC事業を例に説明していただきたい。

A. 平井:さまざまな要因があったかなと。弊社(内部)からのほかにも、さまざま出所からの情報を分析するが、予想以上に従来型のPCの市場が縮小したこと。タブレットに予想以上に食われたこと。Windows 8で市場が大きくなるのではないか?という予測をしていたが、若干それが外れた。

競争が激化する中で、VAIOは VAIONESS、バイオらしさが評価されてきたが、それをもってしても、市場の要因についてゆけなかった。

これからもほかのビジネスをエレクトロニクスで展開してゆくわけだが、競争が激化する市場のなかで自分たちの強みを活かして、お客様の期待に答えてゆくには厳しい目で見てゆく必要があると感じている。

Q.(コンテンツ・ビジネスについて)

A. (...)PSコンテンツが大きな差異化要因。一般的にあるコンテンツであっても、ハイレゾであるとか、 moraのハイレゾ化をするとか、PSネットワーク / Video Unlimited に対して、傘下のソニー・ピクチャーズの資産を使うことができる。

同時に、客にチョイスを与えることが非常に重要。なので、Video Unlimited だけでなくNetflixなども提供する。そのうえで、ビデオアンリミテッド

Q. 研究開発費用について。

A. 現時点で具体的に数字は出せないが、テーマを絞ってゆく。

平井:先を見越した研究開発はしなければならないんですけども、それが例えばデジタルイメージングにどう直結するのか、来年ではないにしろ利益に結びつくかどうか「願わくば、自由闊達になんでもどうぞ、と言いたいところだが、いまはそんな時代ではないので」選択と集中を進める(平井)。

Q. エレクトロニクス部門の黒字化について。

A. 今期で収益がでなかった理由には、胸を張って言えることではないが、アセットの売却を相手先などさまざまな理由で取りやめたこともある。これについては、今後実施することもできる。

(エレキの黒字は資産売却を含めてという話なのか?) アセット売却のなかにはいろいろなものがある。中にはエレクトロニクスに計上できるものもある。

Q. 販売 / 製造 / 本社間接部門をどう削ってストリームライン化するのか。PC や TVだけをやっていた人だけがいなくなるわけでもないだろう。ということは、販売会社の人員を20%削減すれば残った別の部門も下がってしまわないか?

また、スマートフォンの売上予測は、注力する成長部門のはずだが下がっている。この部分を詳しく。

A. 平井:国と地域により、市場環境により変わると思うが、基本的には、マーケティングのヘッドに対していつも話しているのは、店頭でどうやって客に説明して売ってゆくか、セルスルー力が重要。人員の削減もあるのだが、必要とあれば増やすくらいの覚悟でやらないといけない。アウトソースしても(セルスルー力の維持が)できる方法など、コストを削減する方法を徹底的に洗い直してほしいと販売会社にも伝えている。

20%減らすといっても、一律にやって、現場の「戦闘力」が下がってしまっては仕方がない。逆に(コストを抑えつつ) 強化することもありうる。

A. スマートフォンは、Q3がアジアや欧州で落ちたため200万台下方修正した。販売体制の構築が予想より遅れた。今後は遅れを取り戻して成長を図ってゆきたいと考えており、Q4については変更していない。

Q. 人員は、日本と米国で余剰感があると考えていたが、そこを中心に削減という考え方でいいのか。

A. 先進国と日本だけ、もしくは米国だけというわけではない。全世界でやってゆく。一律に、アクロスザボードで見れば20%だが、場所によってはもっと削ることもある。

Q. エレクトロニクスについては、新年度は資産売却ではなく、オペレーションで黒字化できるのが最低限の目標なのか?

A. そう考えている。

Q. PS4について。通期で500万台予想だったが、修正してない。想定よりいい環境なのに変えないのはなぜか。マーケティングやソフトウェアサポート向けの費用を多く使うといっていたが、好調であればここを減らして(さらに)黒字化はできないのか。

A. コンソールに関して。12月下旬でPS4 が420万台とお伝えしたように好調。だが、PS3 と PS4 をあわせて1500万台からトータルで変更はしないという話。PS4 については、予想を超えて好調なのだが、逆にPS3が若干うまく行っていないこともある。プラスマイナスして、15ミリオンとして変更していない。

プレイステーション4、またはPSプラットフォーム全体が加速感をもったプロモーションをしなければならない。わたしのプラットフォームビジネスの経験からして、この段階で(好調だからといって)マーケティング費用を削るという判断はない。好調ならばさらにブーストするということもある。

(...) CES 2014 では、私が持っているソニーの将来に対する夢なども語らせてもらった。特に Life Space UX については、わたしの独断と偏見で、新たに事業部を立ち上げでプッシュした。展示の体制が悪くて長蛇の列ができてしまったが、数千人の人に体験してもらうことができた。

今回は商品の話ではないので(財務の話なので) あまり語らないようにしているが、CES では自分の拘り、夢を語らせていただいた。商品にも、わたしの持つこだわりが反映できてきたと考えている。

(2014年2月6日Engaget Japanより転載)