ソフトバンク株式会社の孫正義代表取締役社長が25日、周波数割り当てについて総務省に抗議した。「天下りしている先の企業に出来レースで決まっている」など怒りをあらわにしている。
携帯電話やデジタル放送などで必要不可欠な電波は公共の資産として総務省が管理し、事業者に割り当てる形となっている。スマートフォンの普及に伴い、大量のデータを無線でやりとりするため、電波の確保は通信事業者にとって生命線。ソフトバンクが過去、イーモバイルやウィルコムを買収したのも、それらが持つ周波数を取り込むことが最大の目的だ。
今回、孫氏が問題としているのは2.5GHz帯の割り当て。ソフトバンク系のWireless City Planningと、KDDI系のUQコミュニケーションズで争っていたが、25日未明、日経新聞がUQコミュニケーションズに割り当てる、と報道した。
KDDI系高速データ通信会社のUQコミュニケーションズ(東京・港)に、総務省が周波数を追加で与える方針を固めた。ソフトバンク系の通信会社も割り当てを求めたが、UQの顧客数が多い点を重視した。
(日本経済新聞「総務省、KDDI系UQに周波数追加割り当て」より 2013/07/25 02:00)
割り当てを正式決定する審議会が開かれる前に報道されたことに、孫氏は激怒した。
我々も驚いて、審議会も開かれていないのに『出来レースで決まっているんですか』と聞きにいったら、(総務省から)『どうもそのようである』という感触を得た
(CNET Japan「孫正義氏「天下りは許さない」--UQへの周波数割り当てに異議 」より 2013/07/25 21:35)
「KDDIには、総務省の元幹部が天下りしている。KDDIと総務省に癒着があったかと疑わざるを得ない。密室の判断で、主観で点が付けられる。これを改めなければ日本は近代社会になれないのではないか」
(ケータイ Watch「「2.5GHz帯の追加割当はUQ」、一部報道で孫氏怒りの会見」より 2013/07/25 21:46)
審議会は26日午後に行われ、割当先が正式決定される。