犯罪者の首や情報などにかけられる「懸賞金」が、まさか犬にかけられることになった。耳を疑いたくなるが本当の話だ。
コロンビアの警察が7月20日、犯罪組織「ウラベノス」が麻薬捜査犬の首に2億ペソ(約770万円)の懸賞金をかけたとTwitterで発表したのだ。
マフィアも恐れる麻薬捜査犬の名前は「ソンブラ」。6歳のメスのジャーマンシェパードで、コロンビア警察の麻薬撲滅部隊に所属している。
CNNによると、ウラベノスはコロンビアで最大勢力を誇る犯罪組織の一つで、トップは最重要指名手配を受けている。
なぜ、そんな凶悪なマフィアが懸賞金まで出して麻薬捜査犬の命を狙うのか。背景には、ソンブラの類まれな捜査力があった。
最凶のマフィアvs.最強の麻薬捜査犬
麻薬犯罪の多いコロンビアでは、麻薬捜査犬の存在は欠かせない。ソンブラは違法な薬物を嗅ぎ当てる能力に非常に長けており、彼女の働きでこれまでに少なくとも245人の逮捕につながった。さらに、ウラベノスが扱うコカイン9トンの押収にも貢献した。
また、たくさんの人たちを薬物の危険から守っているため、子供たちから写真撮影をせがまれるほどの人気者でもあるのだ。
ソンブラは過去約300の事案に携わっていたが、コロンビア警察は彼女の安全を確保するため、首都ボゴタにあるエルドラド国際空港での任務に移したという。