太陽系の外縁部にこれまで観測、確認されなかった新たな惑星が存在する証拠を見つけた、と米カリフォルニア工科大学の研究チームが日本時間21日発表した。海王星の外側に新たな惑星が存在する可能性を示す成果で、今後実際の観測などによって存在が確認されれば太陽系の第9惑星になる。
研究チームは、太陽系外縁部にあり、無数の天体が密集する「カイパーベルト」と呼ばれる領域の六つの小天体が太陽を周回する速度など、さまざまなデータを詳細に分析した。
その結果、これらの小天体は、これまで存在が確認されていなかった大きな質量を持つ天体の影響を受けていることを示した。分析結果から推定すると、この大きな天体は、地球の約10倍、準惑星の冥王星の約5千倍もの質量がある惑星。太陽と海王星の間の距離の約20倍も太陽から離れた宇宙のかなたの太陽周回軌道を1~2万年かけて1周しているという。
太陽系の第8惑星は海王星で、太陽から約45億キロ離れ、約165年で太陽を1周する。第9惑星はかつて冥王星だったが、質量が小さいことなどが理由で2006年に「準惑星」に格下げされている。
関連リンク
・米カリフォルニア工科大プレスリリース「Caltech Researchers Find Evidence of a Real Ninth Planet」
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