航続距離は無限というソーラー・スポーツカー「イモータス」が、実用化へ向けて一歩前進

「公道走行可能な世界初のソーラー・スポーツカー」を自称するこの電気自動車(EV)は、終焉後の世界でも走れるクルマを目指し開発が進められているという。

オーストラリアのスタートアップ、EVX Ventures社が開発する「イモータス(Immortus)」。このクルマを我々が運転できるようになるのは先の話だとしても、実車を目にできる日は少しだけ近づいたようだ。「公道走行可能な世界初のソーラー・スポーツカー」を自称するこの電気自動車(EV)は、終焉後の世界でも走れるクルマを目指し開発が進められているという。今はまだ絵に描いた餅の状態にすぎないものの、EVXはプロトタイプを製作するための資金調達に努めている。

同社のバリー・ニュエンCEOは4月27日に、ベルリンで開催されるテクノロジー関連イベント「IDTechEx Show」で講演を行い、車両外部からのエネルギーを必要としない「エナジー・インディペンデント・ビークル(エネルギー自立型車両)」について話す予定だ。

イモータスは太陽光エネルギーを動力源とするEVで、10kWhのバッテリーを搭載することにより、60km/h以下の速度さえ守って走れば航続距離は無限とされている。そんなイモータスと同じくらい、EVXも野心的だ。同社は最近、Facebookの投稿テスラのことを「商売敵のような存在」と表現しており、「イモータスは、他の車両にはない"持続性"という強さを発揮すべく設計されている」と述べている。

だが、そんなクルマは実現不可能だと決めつけてはいけない。この2人乗りのソーラーEVは、550kgと軽量で、車体のサイズは全長5,000mm、全幅2,000mm。EVXによれば、日光でバッテリーがフル充電された状態なら、85km/hで550km以上の距離を走行できるとのこと。そんなクルマがわずか50万豪ドル(約4,300万円)で手に入るのだ。

イモータスを(ダッジの)「アベンジャー」(2014年をもって生産終了)と戦わせるつもりでないならば、開発スケジュールも問題ないだろう(日本版編集部注:マーベル・コミックの『アベンジャーズ』とその悪役イモータスに掛けています)。

そしてEVXには、イモータスを実用化できる日まで何とか生き残っていくためのプランがある。同社は「航続距離延長の鍵となり、商用車や量産車に恩恵をもたらすことになる技術」を開発するために、イモータスを活用しようと考えているのだ。その一例となる「ハイブリッド・レトロフィット・キット」は、既存の車両に取り付けることで「燃料消費量を抑え、排出ガス量を減らし、航続距離を増やす」ものだという。まあ、ともかく期待するとしよう。

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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