通信大手のソフトバンクグループは5月10日、2017年3月期の純利益が1兆4263億円となり、過去最高益を更新したと発表した。
NHKニュースによると、これまでに最終利益が1兆円を突破した日本企業はトヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループで、ソフトバンクグループは3例目となる。
この日、決算会見に登壇したソフトバンクグループの孫正義代表は、純利益1兆円突破について「感慨、感動のようなものは、不思議とないんですね。1兆円の利益に対する感動が沸いてこない。達成感というのがない。全くの通過点だ。だからこんなに自分の心の中に感動がないんだなと、改めてふと思った」と所感を述べた。
孫氏は、「あくまでソフトバンクにとって通過点にすぎない。トヨタは67年かかったが、われわれは36年で到達することができた」と、今後の業績に自信を見せた。
また、経営再建中の東芝が進めている半導体事業の入札について、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業などとともに入札に参加するか問われると、孫氏は「我々が主体となって参加することはない」とした上で、「相談は受けている」と明かした。出資するかどうかについては名言を避けた。
1981年に「日本ソフトバンク株式会社」を創業してから36年、孫氏はソフトバンクグループを超巨大企業に育て上げた。
一時は「引退」を示唆していたが、10日の会見では「引退を考えるのは早すぎた。60年以上の人生を過ごして、誇れるものを達成できていない。悔しさ、忸怩たる思いがある。やっとここから、本当に俺の人生が始まるんだという思いでいっぱい。まだまだ通過点。ここから始まると思っています」と、今後の方針を語った。
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