人気CMシリーズの、ソフトバンクの白戸家。
その白戸家「岡山」篇を見て驚いた。
鬼が桃太郎の桃を叩き割っとるやん!
これはひどい。
何がひどいって、桃太郎のテレビCMといえば、SoftbankのライバルのauのCMだ。
ソフトバンクの白戸家シリーズのCMは、これまで企業別CM好感度7連覇だ。
そして最近、auにその座を明け渡したのだ。
そのソフトバンクがauへの逆襲。
この広告は誰がどう見ても、そう見えるだろう。
ライバル会社のメイン広告キャラクターの桃太郎。
その桃太郎の桃を、鬼が叩き割ろうとするCM。
Softbank VS auという意味では話題になるかもしれないが、なんだか生理的に好きになれないCMだ。
なぜだろうか?
これまでのソフトバンクのCMは、好感が持てたが、これは気持ち悪い。
7連覇もしたCM王者が、その座を明け渡した新チャンピオンに、新たに戦いを挑む。
それ自体はいいのだが、その戦い方がいやらしい。
例えば、ご当地キャラでふなっしーが一番人気だったとしよう。
そのふなっしーが、直近の人気ランキングで、茨城県非公認納豆キャラのねばーる君に人気ランキングで負けたとしよう。
その直後に、ふなっしーが納豆を踏みつけるをパフォーマンスをやったら、どう感じるだろうか?
それは「ご当地アピール」という、彼らの本当の戦いではない、違う戦いだ。
今後のauのCMで、桃太郎が自分の家来の白い犬を蹴り飛ばすCMができたら、それは面白いのだろうか?
CMは人を動かし、何かを変えるコミュニケーションだ。
そのCMの素晴らしさを競う手段は、クリエイティブの内容で勝負されるべきだ。
日本のCMで7連覇もするCMは、日本トップクリエイターにより作られる、日本トップの広告作品だ。
トップクリエイターの戦いは、「人を動かし、何かを変えるコミュニケーション」としてのCMの、クリエイティブや面白さを競うものであって欲しい。
これまでauは広告好感度という分野で、7回連続ソフトバンクに負け続けてきたのだ。
それが今回の桃太郎シリーズの新企画でやっと、ソフトバンクのCMシリーズに打ち勝てた。
この結果を受けて、これまでの王者ソフトバンクには、桃太郎シリーズ以上に面白いCMを期待したい。
アリヴェデルチッ!
(2015年6月14日「yubu23.com」より転載)