東京都心での雪で、多くの人々がTwitterなどのSNSに、自宅の窓から見える写真などをアップロードしている。
2016年11月には、Twitterへの積雪の写真投稿をきっかけに、自宅の隣に住む人を発見した例も。やりとりは微笑ましい一方で、「自宅が特定されて大丈夫?」と不安を感じた人もいたようだ。
写真投稿で気をつけるべきことは何だろうか?ハフポストは、インターネットでのモラルや子供の安全についての講演を続けている、グリー株式会社の安心・安全チームマネジャーの小木曽健さんに聞いた。
――自宅で撮影した写真を無防備に投稿することは危険ですか?
最近は以前に比べて、位置情報が写真に付いているケースは減りました。TwitterなどのSNSでは、アプリの仕組みから、投稿時点で位置情報を削除されることが多いためです。
それよりも、自宅から見える雪景色のように、窓の外を撮ってアップロードすることはリスクが高いです。
――「自宅特定」にはどんなリスクがありますか?ストーカーなどでしょうか?
私のところへよく寄せられる相談として、非常に多いのは男子高校生からで、「Twitter上でやりとりしていた相手とケンカになった。匿名で投稿していたのに、相手が『自宅に行ってボコボコにする』なんて言っている。どうしよう」というものです。
――主に女性が気をつけるべきというイメージがありましたが...
いえ、実は高校生でこの手のトラブルが多いのはむしろ男の子の方です。
自宅が特定されたからといって、直ちに危険というわけではないんです。ただ、怖いのはトラブルになった時に身を守れない可能性があるということです。
大人でも例えば仕事のトラブルで自宅に誰かが来るというリスクがありますし、逆にプライベートな事情で何かトラブルを起こした時に、職場を特定されて告げ口されてしまうということもあり得ますね。
――そもそも、窓の外を写真で撮影したぐらいで自宅特定がすぐにできるものですか?
1枚の写真だけから特定することは難しいかもしれません。でも、それまでの発言などを組み合わせれば地域を絞り込んでいける。特に高校生などは匿名アカウントでもほとんどが学校名などを投稿していますから。電柱のトランスの形は地域によって違いますし、マンホールが写っていればもっと簡単です。
地域を絞り込んで、地形や景色、光の向き、特徴的な建物などをチェックする。そして、Googleストリートビューと照らし合わせれば、家の外に出る必要さえない。ほとんどが簡単に特定できます。
Twitterに自宅の住所を書き込む人は、そんなにいないでしょう。皆、それは出してはいけない情報だということは知っている。しかし、自宅から外を撮った写真を掲載することにリスクがあるということは案外知られていない。そこに気づく必要があります。
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