大雪の死者23人 関東は20日も降雪の予報
14~16日にかけて東日本を襲った大雪による影響は17日も続いた。朝日新聞のまとめでは、17日夕現在、死者は計23人。除雪作業が追いつかず、山梨県や東京都では降り始めから4日目に入ってもなお、孤立したままの集落がある。気象庁は、関東では20日に再び雪が降ると予想している。
今回の大雪では、全国17カ所で観測史上1位の積雪を更新した。甲府市では、これまでの記録の2倍以上となる114センチを記録。群馬県草津町で162センチ、山梨県富士河口湖町で143センチ、埼玉県秩父市で98センチ、同熊谷市で62センチ、前橋市73センチ、宮城県白石市で57センチなど。
道路の除雪作業が進まず、山梨県富士河口湖町のホテルでは大学生ら約80人が缶詰め状態に。宮城県丸森町で1千人以上、東京都奥多摩町や檜原村でも、数百人単位の孤立状態が続いている。
日本道路交通情報センターによると、高速道路は17日夕現在、中央道、関越道、上信越道の一部が通行止めになっている。中日本高速道路は中央道について17日中の復旧を目指している。空路は、北海道発着の国内線を中心に日本航空12便、全日空26便が欠航した。
気象庁によると、関東地方は20日に再び雪が降る予報。2週続けて大雪を降らせた気圧配置と同様、本州の南海上を低気圧が通過する見通しだ。今のところ大雪の可能性は低いが、残雪の上に雪が積もって落雪や雪崩の危険が増す場合もあり、気象庁は注意を呼びかけている。
■青果品薄、工場停止も
物流の乱れで、暮らしへの影響も広範囲に及んでいる。
日持ちしない野菜などは小売店で品薄になったり、値上がりしたりするおそれがある。東京都中央卸売市場大田市場では17日、競りに間に合わないトラックが相次ぎ、集まった青果は予定の6~7割にとどまった。青森県産のリンゴや長野県産のキノコは入荷がゼロに。「全体的に品薄で価格が高くなった」(卸売業者)といい、15日から17日にかけてコマツナの値は500グラム158円から315円に上がった。
宅配便の遅れも解消されていない。ヤマト運輸では17日も中部や近畿地方からの荷物が関東の一部で届いていない。日本郵便の郵便物や荷物の集配も半日から数日ほど遅れが出ている。
部品が届かずに生産が止まった工場も17日、相次いだ。トヨタ自動車は愛知県内の4工場を止め、スズキは静岡県内の主力3工場の生産の一部を停止した。ホンダは寄居工場(埼玉県寄居町)を停止。富士重工業の群馬製作所(群馬県太田市)、日産自動車の栃木工場(栃木県上三川町)も操業を一部取りやめた。
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