旧ユーゴスラビアの民族紛争の戦犯を裁く法廷で11月29日、判決言い渡し中に被告が毒とみられる液体を飲み干して死亡した。ロイター通信などが報じた。
死亡したのは、1990年代にボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で、クロアチア系軍事組織を指揮していたスロボダン・プラリヤック被告(72)だ。クロアチア人勢力の武装組織や警察で指導的な立場にいながら、93年に起きた残虐行為を止めなかったとされた。
CNNによると、オランダ・ハーグで開かれた旧ユーゴスラビア国際刑事法廷(ICTY)の控訴審でプラリヤック被告は、禁錮20年の実刑判決を言い渡された直後に立ったまま、こう叫んだ。
「スロボダン・プラリヤックは犯罪者ではない。軽蔑ともに判決を拒否する」
その後、小さなガラス容器に入った液体を飲み干して「毒を飲んだ」と言ってから座った。公判は中断し、法廷にはカーテンが下ろされた。プラリヤック被告は現場で手当てを受けた後、病院に搬送されたが、死亡が確認されたという。
ガーディアンによると、ICTYの公判は厳重な警備の下で行われており、すべての被告や傍聴人に対して厳しい所持品検査がある。同被告がどのように瓶を法廷に持ち込んだかは分かっていない。
■毒薬とみられる液体を飲み干す瞬間の動画
※一部ショッキングな映像が含まれています。