悩んだら寝ましょう。「一晩寝る」と良い決断ができます(研究結果)

目の前の難題に悪戦苦闘して、にっちもさっちもいかない……というときこそ、寝てしまおう。
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FogStock/Vico Images/Alin Dragulin via Getty Images
Young woman in bed, portrait

目の前の難題に悪戦苦闘して、にっちもさっちもいかない……というときこそ、寝てしまおう。

最近イギリスで行われた研究によると、睡眠には難しい問題を解決してくれる可能性があるという。寝ると、脳が情報を海馬(最近の経験を保存している脳の一部)から新皮質(長期記憶を司る脳の一部)に伝達しやすくなるのだ。その一方で、簡単な問題を処理する場合には、睡眠をとってもほとんど意味がないそうだ。

この研究は、ランカスター大学人間発達学習研究所の認知科学の専門家、パドレイク・モナハン教授によって行われた。彼の研究チームは、一般のボランティアに、「言葉」に関する課題をいくつか出した。3つの単語が与えられ、参加者はそれらの単語の共通点を見つけ出し、その分類に当てはまる4つ目の単語を選び出すように求められた。

課題の半分はやさしく、もう半分はとても難しかった。参加者は4つのグループに分けられた。あるグループは夜に課題をもらい、睡眠をとって、翌朝また課題に取り組んだ。2つ目のグループには、朝、課題が出され、その日の夜に、再び課題に取り組んでもらった。3つ目のグループは、朝に課題を受け取り、その朝に回答した。4つ目のグループは、夜に課題を受け取り、その夜に回答をした。

簡単な問題の場合、朝に問題を見て、夜に解いたグループ(覚醒グループ)の成績が一番よかった。しかし、難しい課題となると、夜に初めて問題を見て、朝に解いたグループ(睡眠グループ)の正解能力がかなり改善していたことがわかった。

「この研究には、私たちの日頃の問題解決のしかたを改善するためのヒントがあります」と、モナハン教授は語る。「難しい問題ならば、一晩寝かせて、次の日にもう一度トライしましょう。複雑な決断をした場合でも、次の日に見直せば、最善の選択ができる可能性が高いです」

これまでの研究は、睡眠をとった後に問題解決能力がどのくらい改善したかを検討してきたものばかり。睡眠そのものが問題解決のプロセスで役立っているのかはあやふやだった。また問題を解決しようとするときに発生する阻害要因や、集中力の欠如を、眠りが和らげているだけなのか、はっきりしていなかった。モナハン教授の研究は、睡眠の新しい効用を見つける第一歩といえる。

同じような研究を積み重ねていく必要はあるものの、休んでいる間も、脳は驚くほどアクティブで、本当に驚異的なことを成し遂げているという証拠が続々と見つかってきているのだ。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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