あのプーさんが、殺人事件に加担する恐ろしいくまになってしまった…。
世界中で愛されるくまのプーさんの「ホラー映画化」が進んでいる。
実現したのは、A・A・ミルンの児童小説「クマのプーさん」の著作権が2022年1月に切れて、パブリックドメインになったからだ。
この作品を手がけるイギリスのインディーズ映画スタジオ「ジャギド・エッジ・プロダクション」が、映画『Winnie the Pooh: Blood and Honey (くまのプーさん:血とはちみつ)』の画像をInstagramで公開した。
脚本と共同制作も務めるリース・ウォーターフィールド監督は、「殻を破る内容にしたかった。ホラーをコンセプトに悪役が出てくる、オオカミ人間や、お化け、吸血鬼、ゾンビのような映画です」と、ハフポストUS版の取材にメールで答えた。
「(原作とは)とても異なる内容なので、ワクワクしています。もともと映画を“間違った方向”に進めようというから発想を得たのですが、2人の悪役がいることで、知的になっていると思います」
どんな内容?
恐ろしいくまのプーさんが出てくるホラー映画はどんな内容なのか。ウォーターフィールド氏は概要を次のように説明した。
「クリストファー(・ロビン)が成長するにつれて、プーさんとピグレットは急激に食べるものが減ります。年月を重ねるにつれて空腹に耐えられなくなり、野生化していきます。そしてついに、生き残るためにイーヨーを食べなければならなります」
「戻ってきたクリストファーは、野生化した友人が以前とは違うことに気づきます。クリストファーに再会したプーさんとピグレットは暴れ出し、大学の女友達たちが泊まっているキャビンを襲います」
イーヨーを食べる…?くまのプーさんファンには、耐え難い内容になるかもしれない。
ウォーターフィールド氏によると、映画は5月初めに撮影を終えたばかりだが、ネットで画像が話題になっていることから、編集を早めて1〜2カ月内に公開する予定だ。
画像を見ると、ディズニーの映画では赤い服がお馴染みのプーさんがシャツとパンツを身につけていることに気づく。
これには理由がある。ミルンの小説は著作権切れとなったものの、ディズニー版のくまのプーさんは、同社が今でも独占使用権を保持している。
ウォーターフィールド氏は、ディズニー版の著作権侵害にならないよう細心の注意を払った、とエンターテイメントメディア・バラエティに語っている。
「(ディズニーの作品との)境界線があることや、彼らの著作権、彼らがやったことなどを知っていたので、(私たちの)映画が1926年の物語だけをベースにしたものになるようにしました」
そのため、ホラー映画ではティガーなど、出てこないキャラクターもいる。またイーヨーの墓石のシーンはあるものの、死の詳細は描かれない予定だという。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。