綱渡りのプロ、スキー場のリフトで首吊り状態になった友人を救う(動画)

「救助できたのはスラックラインの技術のおかげだった」

アメリカ・コロラド州のスキー場で1月4日朝、リュックサックを背負った男性がリフトで首吊り状態になったが、友人のスラックライン(綱渡り)プレーヤーがリフトのケーブルを伝って首に絡まったリュックサックを切り、男性は無事一命をとりとめた。

地元紙デンバーポストによると、レナウィー山のアラパホー盆地スキー場のリフトから降りようとした時、リュックサックがリフトに絡まってしまった。従業員はリフトの運転を止めたが、男性が乗ったリフトは降り場から下りに向かった状態で停止し、男性はリュックが首にかかった状態で宙ぶらりんになり、首吊り状態となった。スキーパトロール隊が現地に向かったが、男性は意識を失った。

その間、スラックラインのプロ選手ミッキー・ウィルソンさん(28)は自分で何とかしようと試みた。

動画を見ると、ウィルソンさんがスキーリフトのケーブルを30フィートほど伝った後、ナイフを使って彼の友人のリュックサックを切り、下にある雪の上へ彼を落とし、救助した。

「彼がリフトを降りようとした時、彼のリュックサックが絡まりました。そして、彼はリフトの外側にいたので、緊急リフト停止装置の周りをまわったのです」と、ウィルソンさんは取材に答えた。「彼は動けなくなっただけでなく、文字通り自分のリュックサックで首を吊っていたのです。彼はリフトの3〜4フィート(約1〜1.2メートル)下にぶら下がっていました。彼の足はおそらく雪から10フィート(約3メートル)ほどの位置にありました」

ウィルソンさんはこのスキー場のパートタイムスキーインストラクターだが、この時は勤務時間外だった。ウィルソンさんは後日Instagramに「救助できたのはスラックライン(綱渡り)の技術のおかげだった」と投稿した。スラックラインとは綱渡りのようなものだが、緩めの布、ロープやウェビングというベルトや馬具などに用いられる目の粗い丈夫なテープを使用する。

「この場を借りて、#slacklifeにこのような技術を教えてくれたことに感謝します」と、彼はInstagramに投稿した。

ウィルソンさんの説明によると、彼とほかの人たちは最初「人間ピラミッド」を作り、友人をつかまえようとしたが、失敗に終わった。

「何もできない私たちの目の前で、友人が死ぬんだとわかった時、パニックから恐怖に変わりました」と、ウィルソンさんは書いた。「その時、ひらめいたんです。リフトの柱を登っていき、ケーブルを伝って彼のところへ降りていくことができると。スラックラインの経験のある私にはできるとわかっていたので、思い切ってやってみたんです」

ウィルソンさんが友人を助けようとしていた時、スキーパトロール隊が到着した。パトロール隊がウィルソンさんにナイフを投げ、彼は友人のリュックサックのひもを切ることができた。パトロール隊員は雪の上に落ちた男性を蘇生させた。

ウィルソンさんはデンバーポストに「その時、スキー場ではこの事件を防ぐことはできなかったように思えます。すばらしい対応をしたスタッフに感謝しました」と語った。

「友人は元気で、もうすぐ退院できるでしょう」と、ウィルソンさんはInstagramに投稿した。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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