韓国南部・全羅南道珍島(チンド)付近の海上で4月16日午前8時58分ごろ、修学旅行の高校生ら459人が乗った大型旅客船が沈没した。
報道専門テレビ局のYTNが韓国政府の中央災難安全対策本部の集計として伝えたところによると、164人が救助されたが、3人が死亡、292人の安否が確認されていない。現在、軍や警察、民間の漁船による捜索活動が続いている。
確認された死者は修学旅行に参加していた高校2年の男子生徒と、船の女性職員(27)。もう1人の身元は不明だが、男子学生とみられるという。
ロイター通信は韓国海洋警察の情報として、300人以上の安否が不明としている。韓国政府は一時、368人が救助されたと発表したが、集計に誤りがあったとして撤回していた。
旅客船は仁川から済州島に向かっていた「セウォル号」(6825トン)。霧などのため、15日午後9時に仁川を予定より2時間遅れて出発していた。
京郷新聞によると、現場近くの漁民は「巨大な旅客船がなぜ島の方に行ったのかわからない」「通常は島側には行かず、外側に迂回する」「島の周辺には暗礁が多い」と口をそろえたという。旅客船が沈没した場所は危険な水路として知られているといい、同紙は予定より遅れて出港した旅客船が運航時間短縮のためにショートカットしようとしたのではないかという可能性を指摘している。
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