「座る時間」が1時間増えるだけで身体が不自由になるリスクが1.5倍に

「毎日、長時間座って過ごすことは、その後の身体障害につながる」という研究結果を、ノースウェスタン大学フェインバーグ医学大学院の研究者たちが発表した。
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Yagi Studio via Getty Images

「毎日、長時間座って過ごすことは、その後の身体障害につながる」という研究結果を、ノースウェスタン大学フェインバーグ医学大学院の研究者たちが発表した。

2286人にのぼる60歳以上の人たちの身体活動レベルを調査したこの研究では、「座っている時間が1日1時間増えるだけで、体が不自由になるリスクが大幅に増加する」ことがわかった。たとえば、1日13時間を座った状態で過ごす65歳の女性の場合、1日12時間座っている場合よりも、体が不自由になる可能性が1.5倍高いことになる。

さらに厄介なのは、たとえ定期的にジムに通ったとしても、この「長時間座ったことによる悪影響」は消せないという点だ。研究の主執筆者であるドロシー・ダンロップ氏は論文の中で、「適度な運動をしているにもかかわらず、座った状態が身体障害につながるという結果が出たのは今回が初めてとなる。座っている状態は、身体活動量が不十分であることと同じ意味ではない」と述べている。

ダンロップ氏は、「年齢の高い人たちは、たとえ適切な運動をしていても、あるいは、比較的激しい運動をしていたとしても、テレビやコンピューターの前などの、座って過ごす時間自体を減らす必要がある」と述べている。

体が不自由になった高齢者は、ベッドへの出入り、入浴、歩行といった単純な動作でさえ困難になる可能性がある。

ほかにも、「長時間座った状態が、心臓疾病や高血圧、糖尿病などの慢性的な健康障害につながる」という研究結果が複数発表されてきた。さらに最近では、毎日長い時間、仕事のデスクや家庭のソファーに座って過ごす女性は、早死にするリスクがかなり高くなるという研究結果も出ている(リンク先によると、11時間以上座っている女性は、早死にする率が12%増加するし、6~8時間でも健康に悪いという)。

ダンロップ氏は、活動性を高めるため、日常的な動作にシンプルな変化を加えることを提案している。

  • 電話中は、座らずに立って話す
  • 買い物をする時は、離れた駐車場に車を駐車して、歩く距離を増やす
  • 飲み物を取りに行く時は、部屋のなかやオフィスを1周する
  • できる限り車を使わず、歩くようにする
  • エレベーターではなく、なるべく階段を利用する

リンク先の英文記事は、「立って仕事ができるオフィスデスク」を紹介しているほか、スマートフォンをタイマーにして、60分おきごとなどに、ストレッチしたり部屋のなかを歩いたりすることをすすめている。

[Huffington Post(English) 日本語版:兵藤説子/ガリレオ]

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